追い詰められた時こそ、必要なのは奇策ではなく「普通」の野球だ。セ・リーグ2位の巨人にとって、1日に甲子園で組まれている首位・阪神との今季最後の直接対決は、逆転Vの行方を大きく左右する一戦となる。
巨人の移動日だった前日9月30日に阪神がヤクルトに勝利。優勝マジックは「3」に減り、両軍のゲーム差は「2」に広がった。巨人は残り3試合。阪神の背中を追うには、これ以上後退する余地がほとんど残されていない。
今季の阪神戦は8勝16敗、勝率3割3分3厘。甲子園でも5勝6敗と苦しんできた。それでも橋上秀樹監督代行(60)は9月30日、「今シーズンはあんまり阪神との相性は良くなかったんですけども、今までのことは関係なく、明日(1日)の一戦を精いっぱい頑張りたいと思います」と強調した。積み重ねてきた劣勢を、この一戦にまで持ち込むつもりはない。
思い起こされるのが1994年10月8日の「10・8決戦」だ。同率首位で最終戦を迎えた中日と巨人がナゴヤ球場で激突し、巨人が6―3で勝利。4年ぶりのリーグ優勝をつかんだ。もちろん今回は、勝者がその場で優勝を決める一戦ではない。それでも「敵地」「優勝を争う宿敵との直接対決」「負けられない」という構図は酷似しており、32年前の記憶を呼び起こす。
だからこそ、必要なのは気負いではない。チーム関係者は「今年の阪神とのマッチアップでは、警戒しすぎて四球を出したりと『普通じゃないこと』が続いている。直接対決といっても意識しすぎず、いかに普通のプレーができるかが大切」と指摘する。
〝10・8の精神〟とは、奇跡を待つことではない。極限の重圧下でも、普段通りの野球を遂行すること。その再現ができるかどうかが、逆転Vへの最後の生命線となる。












