【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。関東が異例の長雨。東京都心では今月28日で連続降水日数が「33日」に達しました。なかなかお出かけができない日々ですが、今は芸術の秋。絵画に、読書に、映画観賞に、とこの機会に多くの芸術に触れてみてはいかがでしょうか。
さて、そんなニュースに関連し、今週は漫画という“芸術”に情熱を注いだ少女たちの軌跡を描いた映画「ルックバック」(公開中)を紹介します。
同作は「チェンソーマン」などで知られる漫画家の藤本タツキ先生の同名漫画が原作。漫画へのひたむきな思いで結ばれている2人の少女・藤野と京本の13年の軌跡を描きます。
この映画のスゴいのは、2人のつながりが友情からではなく嫉妬から始まるんですよ。藤野は京本の才能を見て悔しくてたまらないと。スゲェやつが世の中にはいるなっていう嫉妬がスタート地点です。
僕はホラン千秋さんと仕事した時、一発の指示で進行を完璧にこなす姿を見て、この人にはかなわないと思いました。それと同じような感じ。かなわないと思った時の苦しさ、でも自分は自分で努力しようという気持ちを本当にうまく表現してます。
クリエーターの世界ではそうした感情がやはりつきもので、これは原作者の藤本先生もメガホンを取った是枝裕和監督もそうだと思うんですよ。若いころにスゴいなと思える人と出会ったことで、それをエネルギーに自分が上ってこれた。負の感情への“愛”が満ちてるなと思いました。
その上で、漫画家は「なぜ漫画を描くのか」。漫画って締め切りもあるし、大勢に評価されるし、大変じゃないですか。そんな中で藤野が漫画を描く答えは、京本だと思います。100万人から評価されることじゃなく、たった一人。自分の作品を愛してくれる一人の読者のために描いているってことなんですよね。
すべての創作者は「なぜ作るのか」という根本的な問いを持つと思います。才能があるから、成功しそうだから、じゃない。自分の作品を待ってくれている人がいるから、ツラくても続けられるという本質を改めて提示してくれて、クリエーターに寄り添った作品でした。
結局、人は誰かが止めたとしても好きなものに行くんですよね。人生の違う選択肢があっても、同じところに戻ってくる。芸術の秋にふさわしく、情熱や若さがあふれる作品でした。ぜひ劇場でご覧ください。












