法人税など約1億5700万円を脱税したとして法人税法違反などの罪に問われているインフルエンサーの宮崎麗果こと黒木麗香被告(38)の初公判が18日、東京地裁で開かれ、起訴内容を認めた。元芸能人の黒木啓司氏の妻で、SNSでセレブな日常を投稿して注目を集めていた〝裏の顔〟が明るみに出た。夫との関係、今後の裁判の行方はどうなるのか。

 起訴状によると広告代理業「Solarie(ソラリエ)」の代表を務める黒木被告はソラリエの所得約4億9000万円を隠し、法人税など約1億5700万円を脱税した。黒木被告は脱税をほう助したとして起訴された会社役員のA被告、B被告とともに出廷。

 法廷に入ると黒木被告は裁判官と傍聴席に向けて深々と頭を下げた。メガネとマスクを着用し、表情をうかがうことはできなかった。オーバーサイズのスーツを着用していたとはいえ、やつれた印象を受けた。起訴内容を問われると「間違いありません」と小さな声で答えた。

 黒木被告は2021年に税理士からソラリエの同年1月期の売り上げに対して納税額が約2000万円にのぼると告げられ、A被告に「納税額を減らす方法はないか」と相談。A被告がB被告を紹介し、黒木被告はB被告の会社に架空の業務委託費を計上し脱税を行った。黒木被告はB被告に謝礼、迷惑料として現金約1000万円以上を支払い、国税局の調べに対して口裏合わせ費用なども払っていたという。

 裁判の行方とともに注目されるのが夫・啓司氏との関係だ。黒木被告と啓司氏は21年に結婚。黒木被告は2度の離婚を経て3度目の結婚となる。前夫の子供に加え、啓司氏との間に2児をもうけた。脱税起訴後、啓司氏は黒木被告のインスタグラムのフォローを外し、妻が写った写真を削除し、憶測を呼んだ。しかし、この日、検察側が読み上げた黒木被告の身上経歴では「夫、子供4人と同居」と述べられた。

 黒木被告は起訴内容を認めており、量刑が注目される。

 アディーレ法律事務所の南澤毅吾弁護士は「懲役相場としては2年~3年前後。加えて数百万から数千万円の罰金は科されるでしょう。過去の判例からすると脱税で実刑となるのは10億円を超えるような悪質例に限られます。初犯であり、修正申告と納税の意思を示していることから、実刑とならず、執行猶予が付く可能性は高いです」と述べた。

 一方で「焦点となるのは黒木被告の主導性。文書偽造や証拠隠滅(口裏合わせ)を自ら指示し、主体的に行っていたとすれば懲役・罰金は重く判断されます。また黒木被告はインフルエンサーだったので他被告と共謀の上、他の会社や個人の脱税スキームに関与している疑いも生じるでしょう。このような余罪が判明すれば、実刑判決も視野に入ります」と指摘する。

 啓司氏が出廷する可能性はあるのか。

「一般に家族が証人として出廷することは、家族が更生に協力することを裁判官に示す意義があります。このような『情状証人』として夫啓司氏が出廷する可能性はあります。ただ脱税は経済犯罪であり、薬物犯罪と比べて家庭環境との結びつきは弱い。夫が出廷をしても量刑への影響は少ないでしょう」と解説した。

 次回の裁判は5月18日に行われる。