ジャニーズ事務所がSMILE―UP.(スマイルアップ)に社名変更した前日の16日、ジャニーズ性加害問題当事者の会は公式サイトに「『ジャニーズ事務所』宛に最後の要望書」を掲載した。その中に、タレントとエージェント契約を結ぶという「新会社の利益についても被害者への補償や救済に充てるべき」という趣旨の文言があったことが、大きな波紋を呼んでいる。同会の副代表・石丸志門氏に聞いた。

 旧ジャニーズ事務所が10月2日に開いた会見で、スマイルアップは故ジャニー喜多川氏による性加害問題の被害者への補償業務に専念。マネジメント業務は新たに会社を設立し、タレントとエージェント契約を結ぶと発表した。

 ジャニーズ事務所最後の日に、当事者の会は要請書を公開した。その第1項目は「ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)とグループ会社に残る資産と、新設されるエージェント会社の利益について、被害者への補償および救済への充当、ならびに、慈善団体への寄付を実施するよう求めます」というもの。

 その理由として、新会社といえども「ジャニー喜多川氏の遺産の基に成り立っている」と指摘。そのうえで「当該遺産の基に成り立つ利益は、被害者への補償および救済の実施に充てられて然るべきものです」とした。

 11月に新たなスタートを切るとされる新会社の利益についてまで踏み込んだことで、賛否両論が巻き起こった。

 石丸氏は「要請書をしっかりと読んでいない人が炎上させているので、(当事者の会代表の)平本氏含めて『言わせておけばいい』という認識で、あまり外野の声には反応しないようにしています」と話した。

 この要請書に対し、スマイルアップからまだ返答はないという。また11月中旬ごろから補償がスタートという一部報道もあったが、「今のところ何も連絡はありません」(石丸氏)

 要請書の第2項目は、スマイルアップと当事者の会が対話・協力し、被害者救済・補償を行う委員会を速やかに設置することを求めている。また既存の被害者救済委員会に、当事者の会が推奨する複数名の参加も要請した。

 当事者の会のメンバーは10月3日にジャニーズ事務所(当時)の東山紀之社長、藤島ジュリー景子氏、弁護士と対面し、謝罪を受けた。石丸氏は「対面時に補償額の算定基準を一緒に決めたいという意向を伝えたところ、否定はされず『持ち帰ります』と言われました。その時には2回目、3回目と対談を続けたいというコンセンサスもとっていますが、いつになるのか…。算定額もまったく決まっておらず、そもそも東山氏は舞台があるので、その後になるのかなと予想しています」と明かした。

 また、NEWSの増田貴久が14、15日に広島で開催したライブ中のコントコーナーで、会社社長の設定で「セクハラ大歓迎」という趣旨の発言をした問題で、石丸氏は「まず被害者感情を抜きにしてもよろしくない言葉ですよね。あまりにも低レベルで…」と絶句。

 続けて「いちいち言葉を取り上げてかみつくのも、会の品位を下げる感じもしますが、悲しくなりますね。たとえコント中だったとしても避けるべき言葉。性加害問題は、自分のいた会社の社長がやったこと。増田さんの常識、良識を疑います。配慮に欠けるというのは言うまでもなく、まぁ、起こったことはセクハラレベルではないのですが…」とあきれ返っていた。