2022年、ネット上で連日、話題を振りまいたのは〝少年革命家〟でユーチューバーのゆたぼん(14)だ。〝日本一ニュースになる13歳〟の称号も得たが、23年は中学3年生になる。ゆたぼんが、どのようなビジョンを描いているのかを父親の中村幸也氏(42)に聞いた。

 ゆたぼんは父親が運転する「スタディ号」で6月に東京を出発してから、約5か月かけて、47都道府県を巡って、不登校児との触れ合いや観光名所、ご当地グルメなどで見聞を広げた。各地の動画を投稿し、ニュースで取り扱われると、その内容を巡って、時に炎上した。

〝ゆたぼんアンチ〟からは連日、攻撃にさらされたが、ゆたぼんはそれもエネルギーに変え、資金が底を突いた際には、大口出資者を獲得するなどたくましい姿を見せた。

 脳科学者の茂木健一郎氏や歌手の小林幸子からは「子供がどう生きたいかを受け入れてあげる大人の社会でなきゃ」とフォローされ、新時代を象徴する存在となったことは間違いない。
 
 そのゆたぼんも4月からは中学3年生。日本一周の次は世界一周、宇宙旅行の壮大な野望を掲げていたが、中村氏は「スタディ号での日本一周でいろんな人との出会いを通じ、多様な考え方があるのを知って、視野が広くなった。世界一周に一緒に行きたいという子どもも集まっているが、予算的には大変。またクラファンというワケにもいかない。むしろ前澤友作さんが宇宙旅行に連れて行ってくれないかな」と話す。
 
 前澤氏は有人宇宙船での月旅行計画への応募者から「BIGBANG」のメンバー「T.O.P」や映像作家など8人を選出していた。宇宙飛行の最年少記録は18歳で、ゆたぼんの夢が叶えば、世界記録の更新とあり、今後、前澤氏とどう絡んでいくかが見ものとなってきた。

 2021年の亀田興行でデビューしてから続けているボクシングでは、1月21日に同年代で、ボクシング歴2年の名倉誠市郎との対戦を控える。沖縄で2つのジムを掛け持ちしているゆたぼんは、エキシビションではなく、初の勝敗がつく試合とあって、年末年始の休み返上で、猛トレに励んでいる。

 ほかにもゆたぼんを倒して、名を上げたい対戦希望者からのDMが殺到しており、ゆたぼんは朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める1分間格闘技「Breaking Down」を舞台にした対戦も視野に入れている。

 また中3になることで、進路問題も出てくる。小学校に続き、中学校でも不登校を貫いているゆたぼんだけに、高校進学の可能性は低そうだが「本人が高校受験したいとなるのか、どう考えているのか? 現時点ではまだ何も決まっていないようです」(中村氏)。23年も一挙手一投足が注目されそうだ。