人気俳優の香川照之(56)が一連の〝性加害〟報道で開店休業状態に追い込まれた。
CM契約していた7社のうちすでに6社が消滅。金曜レギュラーだったTBSの朝番組「THE TIME,」や10月スタートの連ドラ「アトムの童(こ)」の主要キャストも降板した。
名実ともに芸能界のトップ俳優だった男が真っ逆さまに転落。このご時世、最も敬遠されるセクハラ報道が飛び出したことで、再起できたとしてもこれまでのようにはいかないだろう。
テレビ界も冷静に受け止めている。ドラマ関係者の話。
「最初、週刊誌報道が出た時は『どうなるんだろう』と思いましたが、結局のところは代わりはいくらでもいるんですよね。これが芸能界の残酷なところです」
香川クラスの大物が〝退場〟となっても、また別の俳優がその穴を埋める――。こうして今日も芸能界は回っているのだ。
「お笑い界でも2011年に頂点だった島田紳助さんが突然引退を発表した。しばらくはバタバタでしたが、吉本の後輩芸人が次から次へと出てきて、新たな体制に変わっていった」(お笑い関係者)
香川がいなくなったことで仕事が増えるであろう俳優もすでに予測されている。
1人は個性派俳優の佐藤二朗(53)だ。脱サラして役者の道に進み、しばらく芽が出ない時期が続いた苦労人。ここ数年はバラエティー番組「超逆境クイズバトル!!99人の壁」(フジテレビ)のMCや、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での〝怪演〟が記憶に新しい。
「下積みが長いのでは、プライベートで下手なことはしないはずです。根は真面目ですからね。コミカルな役のイメージがありますが、実は狂気をはらんだ役をやらせたら天下一品。この辺りも香川さんと似ています」とは前出ドラマ関係者。
お次は昨年10月に事務所移籍したばかりの滝藤賢一だ(45)。新事務所の「アルファエージェンシー」は豊川悦司や萩原聖人、和久井映見、伊藤沙莉を擁し、業界でも今一番勢いのある事務所と言われている。テレビ関係者は「そこに入ったのだから、仕事を取りに行くということ。ドラマや映画のキャスティング会議では必ず名前が挙がる俳優の1人です」と語る。
最後はこれから出てくる未知の俳優だ。滝藤も大ブレークのきっかけは13年のドラマ「半沢直樹」(TBS)で鬼気迫る演技をしたことだった。業界歴30年の芸能プロ幹部は「こういう時って、昔からキラ星のごとく無名俳優が出てくるんですよね。実際、芝居がうまい50~60代の役者はたくさんいる。あとはきっかけだけ。局側も埋もれている〝名優〟を発掘しようと必死です」と話す。
香川の空いた席に座るのは誰になるのか――。