【直撃!エモPeople】5年前に生まれ変わった男はどこへ行くのか。TRFのDJKOO(61)が還暦を超えてますます元気だ。52歳でバラエティー番組に進出し、自然体を見せているが、56歳での脳動脈瘤手術が大きな転機となった。新著「あと10歳若くなる! DJKOO流 心・体・脳の整え方」(PHP研究所)を発売したばかりの日本DJ界の第一人者が半生を秘話で振り返った。

 ド派手な衣装のDJKOOはいつもの雰囲気だが、5年前の脳動脈瘤の大手術での開頭手術を振り返る時は神妙だった。テレビ番組で脳検査を受け、医師から「このままなら命の保証はありません。開頭手術が必要です。失明の可能性もあります」と告げられた。

「全身の力が抜けて、自分の存在がなくなるような、どこにいるんだろうという浮いた状態。1週間後には自分は存在しないかもしれない。家族に話す時も不安でいてもたってもいられなかった」

 27歳で結婚し苦労をかけた愛妻、愛娘に最も見せたくない姿を見せた。人生観、生活はがらりと変わり、独自の健康法をつくり上げた。「手術で“もらった命”だから役立てたい」とまとめたのが新著「――心・体・脳の整え方」だ。

 実践する54個のルーティン、提言では「夕食は家族で。食後ウォーキング」「人生100年時代、1年くらい休んでもいい」などのほか「就寝時はテレビは点けたまま(酒が飲めないから)」「朝起きたらすぐエゴサーチ(内容を忘れても仕事に影響しないから)」「SNSには語尾に!!をつける(テンションを上げるため)」など独特なものもある。

「パターンとルーティンは似て非なるもの。パターンはマンネリ、慣れ、飽きにつながるが、ルーティンはポジティブで定着、安定というイメージ。会社の会議もマンネリ化していたら3回を1回にしてもいい。自分の核心がわからなくなったら、一度休んでもいい。変な習慣にも思えるものも書いてますが、方法は自分に合ったものでいいと思う」

 人生の転機も登場する。TRFのプロデューサー小室哲哉(63)と出会った約30年前。小室主催のディスコイベントに呼ばれた時、DJKOOはビル清掃業のバイトと掛け持ちだった。

「アンダーグラウンドのDJの僕とはかけ離れたポップスの人というイメージでしたが、会ってみると、僕らよりマニアックで機材もすごい。宇宙船で科学者が何か作っているような。もっとこの人を知りたい、学びたいと思って『明日も来ていいですか』と言いましたね。奥さんには『バイトは辞めて小室さんのところへ行きたい』と言って、半年間くらい毎日通った“押しかけ弟子”でした」

 高校時代のラグビー部の経験から体育会系だったこともあり、TRFでのデビューの際は小室の鶴の一声でリーダー就任、自腹で25万円かけてドレッドヘアにした。以来、小室との距離は縮まらなかったが、8年前にバラエティー番組に出演すると変化が起きた。

「電話がかかってきて『あのドッキリのかかり方はおもしろかったよ』と、くだけてイジってくれるようになりました」

 バラエティー界の恩人はネプチューンのホリケンこと堀内健(52)だ。「24時間テレビ」(日本テレビ系)の深夜生放送に出演時、突然ホリケンから相撲を仕掛けられ、無礼さ、意外性がウケた。

「僕が困惑していると、ホリケンさんは『KOOさんは気にしなくていい。恥ずかしくなったら僕がもっと恥ずかしいことをやりますから』と言ってくれて。周りの芸人さんはその時、本当は引いてたそうですが、結果的にDJKOOはイジっていいんだという認識になって3回くらい続いた」

 デビュー当時はミステリアスさを出すため「白米を食べられない男」というキャラを演じたが、今は等身大なのが魅力だ。「周りにこう見られたいとか、見えも今は張らない。カッコつけてた自分が今はカッコ悪いと思う。自然体の方が楽しいし、人のつながりも広がりますからね」

 若い世代との交流も自然体だ。世界的DJとなった「Creepy Nuts」DJ松永(31)の「KOOさんはDJへの世間の認識を上げてくれた偉大な人」との発言を聞くと「ニヤけますね。後輩に対しても、自分をオープンにして話しかけてくれるような先輩でいられるといいな」というスタンス。客員教授を務める大阪芸大でも学生と同様に接している。

 医療系大学院生となった愛娘(22)には「大好きなパンの知識を深めるためにパンシェルジュ検定を受けるため、勉強のプロの娘に勉強の仕方を教わってます」とも。

 さらに「アフリカで盆踊りをやったら、現地の人が目を輝かせて踊ってくれて、音楽に国境はないと実感しました。日本文化、エンターテインメントを世界に広めたい」という大きな野望へ向けて突き進んでいる。

☆でぃーじぇー・こー 1961年8月8日生まれ。東京都出身。柏日体高(現・日体大柏高)時代はラグビー部。神田外語学院時代にDJを始め、新宿「カンタベリー・ハウス」などでDJ。86年、リミックスユニット「THE JG’s」結成。92年にtrf結成、リーダー就任。95年「Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~」で日本レコード大賞受賞。CD総売上枚数は2100万枚超。2014年、バラエティー界進出。17年、脳動脈瘤手術。19年アフリカ開発会議(TICAD)の前夜祭で盆踊りを実現。今年1月、客員教授として大阪芸大で初講義。