コンサルティング大手デロイトトーマツグループが30日、Jリーグ全55クラブを対象にして経営面を分析した「Jリーグマネジメントカップ2019」の結果を発表した。

 J1は浦和が2年ぶり4度目の優勝、J2は長崎が初優勝、J3は北九州が連覇をそれぞれ果たした。

 浦和は経営戦略分野で1位となったのを始め、その他のマーケティング分野、経営効率分野、財務状況分野も4位と各分野で安定した強さを発揮。2位川崎とわずか1ポイント差という大接戦を制した。浦和の特徴は、2位に倍近くの金額差をつけている入場料収入で、その背景には熱烈なファン・サポーターの存在があると同社は指摘。「クラブへのコミットメントの強い、質の高い収入であるといえます」と高く評価した。

 ただ、新型コロナウイルスの影響を受けた今季は入場者数の制限が続いており、経営に与えるインパクトも甚大になる。「コロナ禍により集客という面では浦和の特徴を生かしにくい環境となってしまったのは事実ですが、スタジアム外でもサポーターに後押ししてもらえる仕組みをどう作っていくのか、今後も注目です」と同社は分析しており、今後は新たな経営指針が求められそうだ。

 長崎は経営戦略分野、北九州は全部門で安定して好成績を収めた。

 人気クラブが上位に名を連ねる一方で、今後はコロナ禍で各クラブがどのようなかじ取りを行っていくのか注目が集まる。