【取材の裏側 現場ノート】格闘技イベント「RIZIN.32」(20日、沖縄アリーナ)で、1年2か月ぶりのリング復帰となったRENA(30)が、元レスリング世界女王・山本美憂のリベンジをはねのけ、2RTKOで白星をつかんだ。

 そんなRENAだが、注目されるのは今後だ。試合前日に本紙にインタビューに応じた際には練習仲間の浜崎朱加が同じスーパーアトム級の王者だったこともあり、目標が見えなくなったためにリングから遠ざかっていたと告白。しかし「もう1回アメリカに行きたい。話の中で榊原(信行CEO)さんが『こういうのもあるよ』って提案してくれて火をつけてもらった」と、米国再挑戦をモチベーションに再始動したと明かしていた。

 2019年6月に米格闘技イベント「ベラトール」ニューヨーク大会で米国上陸を果たしたRENAだが、結果はリンジー・ヴァンザントに1Rチョークスリーパーで敗北。ヴァンサントには同年大みそかにリベンジを果たしたが、〝米国へのリベンジ〟も果たしたい思いがあるようだ。カギを握る榊原CEOは試合後、本紙の取材に応じRENAについて「もともとRENAは海外志向が強いというか、とても野心家だしハングリーで大志を抱ける選手なんです」と説明。さらに「その(最初の米国での)試合は生で見ましたけど、普段とは全く違うナーバスになっていたので。そこに対してもう1回チャレンジしたいっていう思いが彼女にはありますよね」とした。

 そしてRENAに再度火をつけた〝提案〟についてこう語る。

「僕らとしても来年は(米格闘技団体の)ベラトールと積極的に交流を図ろうと思っている。その中で自信を持って送り出せる『ジョシカク』のエースはRENA。このまま(コロナ禍が緩和して)行けば、RIZINの中でも海外勢との試合を組むこともできますし。いろいろベラトール側と話し合いながら進んでいけばいいと思います。ベラトールにとってもRENAは魅力的な選手なので」

 RIZINからはバンタム級王者の堀口恭司がベルトを保持したまま、事実上の「移籍」をしたばかり。これも両団体の強いパイプがあるからこそなされたことで、来年はそれをさらに強化する予定だという。その中でRENAの米国再挑戦が組まれるのか…。再スタートした〝絶対女王〟が再び女子格闘技を盛り上げてくれそうだ。

(格闘技担当・前田聡)