選挙も終盤となった28日、れいわ新選組の山本太郎代表(46)が関西入り。候補者を擁立した各地で支持を訴えた後、比例近畿ブロックから立候補した八幡愛氏とともに、JR大阪駅前で街頭演説を開催した。

 山本氏は関西各地での遊説の手ごたえについて「手ごたえしかない。でも、手ごたえが得票や議席につながらないことは、私たちがどの政党よりも分かっている」と気を引き締めた。

 関西圏では日本維新の会の躍進が予想されており、特に大阪では小選挙区のほとんどで勝利するとの見方が出ている。これを意識してか、今回の選挙戦では対立する維新候補者を意識した演説を行う候補者も少なくない。

 山本氏は昨年の大阪都構想の住民投票の際、ゲリラ街宣で賛成派の矛盾点を指摘しまくった。反維新の急先鋒の印象が強い山本氏だが、大阪駅前の街頭演説では維新批判をほぼ封印。消費税ゼロの実現や徹底的な財政出動など、党が掲げる政策を訴えることに集中した。

 批判を封じた理由について、山本氏は「(JR大阪駅の前に街宣した)京橋ではおもいっきり言ってました。ここでは時間の都合で言えなかった」とあっさり。

「30年も成長してないのは『改革が足りないから』と寝ぼけたこと言ってるのがあの人たち。あの人たちの言う改革はデフレ下でよりデフレに進む、より悪い状況を生み出すもので絶対やっちゃいけないもの。竹中的改革をやりたいという趣旨。ハッキリ言ってピントの外れた人たち」と維新が主張する改革を斬り捨てた。

 続けて「コロナで全国で一番、住民が命を落としたのは大阪。困っている人に10万円を支給するのも、時短協力金を届けるのも全国でビリ。行政能力もないっていうことですよ」と維新政治の実績を疑問視した。

 さらに、山本氏は自民の受け皿として維新を選択することに「維新はもともと自民の人で、一軍から二軍に流れるだけ。ハッキリ言って、自民よりひどいバージョンを選択していて危惧してます」。

 その上で、「ここでガチンコでケンカできるのは私たちだけ。この衆院選のあと、先の参院選とかの戦いでは積極的に斬り合いをしなければいけないと思っている」と宣戦布告した。