オンキヨー上場廃止で「オーディオ御三家」消滅…80年代にはミニコンポの大流行も

2021年08月02日 11時30分

音楽のデジタル化の波に…

 名門オーディオメーカー・オンキヨーホームエンターテイメント(大阪府東大阪市、東証ジャスダック)が1日付で上場廃止となった。これによってアンプの山水電気、チューナーのトリオ(現JVCケンウッド)、スピーカーのパイオニアの「オーディオ御三家」が“消滅”した。

 経済ジャーナリストは「オンキヨーは2015年にパイオニアのAV機器事業を買収して生き残りを図ったものの、家庭向けのアンプやスピーカーの製造から撤退。これで事実上の御三家消滅でした。しかし、さらにオーディオ業界は衰退の一途で、オンキヨーはパイオニアのAV機器事業売却に追い込まれ、上場廃止。これで御三家は完全に消滅です」と語る。

 オンキヨーは1946年に旧松下電器産業(現パナソニック)のスピーカー部門の工場長だった五代武氏が「大阪電器音響」として創業。80年代にはパイオニア、トリオ(ケンウッド)とともにチューナー、アンプ、スピーカーをコンパクトに組み合わせたミニコンポを流行させ、日本を代表するオーディオブランドに成長した。

 ところが、2001年、米アップル社の携帯音楽プレーヤー・iPodが登場して、パソコンを使ってインターネットから音楽を入手して持ち運ぶ時代が到来した。

「2007年にはアイフォーンが発売されて、音楽はスマホの中に取り込まれ、音楽のデジタル化が急加速。スマホの音質向上で、オーディオ関連市場は衰退の一途をたどったんです」(同)

 御三家の一つ、ケンウッドが08年に日本ビクターと経営統合し、11年には持ち株会社のJVC・ケンウッド・ホールディングスとケンウッドを含む3事業会社が合併。ケンウッドは65年の歴史に幕を閉じた。14年には山水電気が破産している。

 時代の流れには逆らえなかった。