「炎上」の中には消せる炎とすべてを焼きつくすまで消えない炎がある。

 ミュージシャン・小山田圭吾(52)を襲ったのは後者、まさに〝地獄の業火〟だった。

 発端は1994年1月発行の「ロッキング・オン・ジャパン」と95年8月発行の「クイック・ジャパン」のインタビュー。そこで小山田は同級生を箱に閉じ込めたり、障がいのある生徒をからかったりしたことを悪びれもせず告白していた。

 小山田が東京五輪開会式の音楽担当という大役を担うこともあり、ネット上では資質を問う声が殺到。当初は小さな火種だったが、時間の経過とともに延焼し、やがて消火不能な大火となった。

 結局、小山田は五輪の仕事から外れることを決断したが、これまでのキャリアを台無しにするほどの大ダメージを負った。

「過去の名声もすべて吹き飛んだ。ここまで焼きつくされたのは『アンジャッシュ』渡部建さん以来。再起? 渡部さんを見てもわかる通り、簡単なことではない。もとに戻ることは不可能だ」とは音楽関係者。

 エンタメ業界では、これみよがしに〝小山田リスク〟回避の動きが出始めている。 

 小山田が音楽制作を担当したNHK Eテレ「デザインあ」「JAPANGLE(ジャパングル)」はともに放送休止に追い込まれた。21日に行われた同局総局長会見では「デザインあ」がスタートした2011年と、4年前の2017年の計2回、視聴者から小山田に関する問い合わせがあったことが明かされた。ともに今回の〝いじめ自慢〟に関することだったという。

 2番組の今後については未定だが、「デザインあ」の番組ホームページからは小山田含む主要スタッフ3人の名前が〝消滅。「JAPANGLE」に至っては番組ホームページそのものがなくなった。両番組とも打ち切りがウワサされている。

 テレビ東京も小山田が「コーネリアス」名義で主題歌を手がけていた同局系連続ドラマ「サ道 2021」の楽曲の差し替えを決定。ドラマは19年のシーズン1に引き続き、小山田が書き下ろした「サウナ好きすぎ」を主題歌としていた。

 小山田について別の音楽関係者は「才能はある。だけど厳しい」と渋い表情。実業家の堀江貴文氏もツイッターで「たぶん小山田圭吾を起用した人は彼の過去を払拭しようとチャレンジしたんだと思うけどもう、年齢的に一生公の場では何もできなくなったってことが確定したんだと思います」と指摘している。

 前出関係者は「企業案件は全滅。クライアントに敬遠されれば、コンサートもなかなか打てなくなる。クレジットの入る映画やテレビ番組もNG。いっそ名前を変えて〝ステルス〟で裏方作業に徹するか、固定ファン相手にライブをするしかないと思いますね」と語る。

 五輪開会式の楽曲担当を務めることが発表されたのが今月15日。そこから辞退した19日までのわずか5日間で小山田の人生は一変。本人にとっては悪夢でしかない。