ソフトバンクグループが、人の感情を読み取って会話する人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の生産を停止していることが28日、分かった。

 ペッパーは高さ121センチ、重さ30キロ弱。胸にタッチディスプレーを搭載。2014年に発表し、翌15年から日本で販売を始めた。

 ペッパーの製造は中国の鴻海精密工業が手掛け、これまでに約2万7000台を生産。ソフトバングの店頭や、みずほ銀行が来店客のおもてなし用に配置した例があり、知名度はあったが…。

〝干された〟理由はシンプルに販売不振。すでに昨年末から生産を中止しているという。

 ペッパーを導入したことのある企業の関係者によると「意外と複雑な作業ができないし、壊れやすい。あくまで〝見世物〟的な要素が強く、実務に関してはぶっちゃけ、人間がやった方が効率的だった」と話す。

 コロナ禍で飲食店を中心に経営が苦しく、コストカットを考えた時に、ペッパーが真っ先に〝お払い箱〟になるのも致し方ないのかもしれない。

 今後は各国拠点で働く従業員にも影響が出てくる。現在フランスの拠点で人員削減の交渉中で、日本は別事業に配置転換する考えだ。米英は既に減らした。