アイドルグループ「スリジエ」の菅田音杏(すげた・ねあ=21)が29日、東京・秋葉原のP.A.R.M.Sで卒業公演を行った。正統派アイドルグループの1期生として2017年12月にステージデビューし、看護の専門学校に通いながらアイドル活動を続けてきた。昨年12月に卒業を発表したが、コロナ禍で3月に開催予定の卒業公演が2度延期されていた。

「母のような看護師になりたい」。菅田は“看護師を目指すアイドル”として専門学校に通いながら芸能活動を両立してきた。学年が進むごとに厳しくなり、コロナ禍が追い打ち。昨年7月から「実習生として医療現場に携わることから感染リスクを避けるため」として劇場公演や外部イベントの出演をセーブ。今年3月、看護師国家試験に合格したものの卒業公演は延期。4月から看護師として勤務を始めている。

 これまで、生誕公演では母親が好きな曲を披露してきたが、この日は父親が好きな曲をセレクト。「両親がいるから私がいて、スリジエの活動もできた」と感謝の思いをマイクで伝えた。ラストブロックは盛り上げ曲を並べた。

 卒業公演を終えた菅田は「このご時世で卒業公演が延期。4月から病院に就職したので(卒業式を)できるかなという不安はありました。なんとか開催できて良かったです」とホッとした表情を見せた。

 今後は看護師一本の新たなスタートを切る。「現場では防護服を着用していたり、バタバタで大変そうです。現場の近くに入って改めて医療従事者は凄いなっていうのを実感しました」と決断の理由を打ち明けた。

 約4年のアイドル生活について「小さいころからステージに立ちたいという夢があったので楽しかったです。私の合言葉に『星を掴む』っていうのがあります。星=ペンライトなんですけど、たくさんそれ(星)がある会場に立ちたいと思っていた。スリジエに入ってファーストワンマンのZeppだったり、セカンドワンマンの品川ステラボールに出させていただいた。きょうもコロナ禍ではあったんですけど、劇場でたくさんの星を見れたので、とても楽しいアイドル生活を送れました」と振り返った。

 メンバーの青葉桃花は「ぶつかり合うことがあったから何でも言えるような仲になった。そういう環境ができたことはありがたいなと思う。新しい道を全力で応援したい」とコメント。霞もかは「ちょっとどころかメチャメチャ寂しいんですけど、ねあちん(菅田)が夢をかなえるために頑張るので、私たちも頑張らなくちゃいけない」、成瀬古都は「看護師さんになってもたくさんの人に愛されると思う。いまの世の中に必要な人だなって思います」とエールを送った。