米アカデミー賞“前哨戦”が人種差別問題で大炎上 投票権持つ87人に黒人ゼロ

2021年02月24日 14時44分

今年の授賞式に出席したミシェル・ファイファー(ロイター)

 米アカデミー賞の〝前哨戦〟といわれるゴールデングローブ賞の主催者が「人種の多様性に欠ける」として批判対象になっている。

 同賞はハリウッド外国人映画記者協会の会員による投票で受賞者が決定する。ところが、現在87人の会員に黒人が一人もいないことを地元紙ロサンゼルス・タイムズが報じたことから、「選考側の人種が偏っている」と批判されているのだ。

 同協会は黒人会員が現在、存在しないことを認め「問題として取り組む」としながらも、具体的な対策には言及しなかった。

 その影響なのか、今年のノミネートに黒人俳優はほとんど含まれなかった。

 米紙ニューヨーク・ポストは、昨年話題を集めたスパイク・リー監督の「ザ・ファイブ・ブラッズ」や、同シャカ・キング監督の「ユダとブラックメサイア」(原題)など、黒人監督作品はほとんど無視された形となっていると指摘。

 ただし、「ユダ――」の黒人俳優ダニエル・カルーヤは唯一、助演男優賞にノミネートされたと付け加えた。

 テレビドラマも同様で、大手ケーブル局HBO制作の「ラヴクラフトカントリー/恐怖の旅路」はテレビドラマ部門の作品賞候補になったものの、キャストは誰もノミネートされなかった。

 同ドラマは、黒人青年が行方不明の父親を探しに、人種差別が合法だった1950年代の米国を縦断する物語。

 アカデミー賞では2015年の授賞式でほとんどの受賞者が白人だったことから、〝ホワイトウォッシュ〟として社会問題化。翌年、主催者の米映画芸術科学アカデミーは有色人種と女性の会員をそれぞれ倍増することを目標に変革を進めている。

 一方、ゴールデングルーブ賞の場合、投票権を持つのがハリウッド担当の外国人映画記者であることから、人種の内訳を〝多様化〟することは現実的には難しそうだ。

 ちなみに、同賞の発表・授賞式は新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で延期され、3月1日に予定されている。