韓国クラスター広がる波紋…名簿にうそ?3000人以上連絡取れず

2020年05月12日 17時00分

ソウルのクラブの前を消毒する作業員(ロイター)

 新型コロナウイルス封じ込めの「模範」とされ、政府が感染防止策の緩和を進めてきた韓国で再び集団感染が発生した。ソウルのクラブ訪問者を中心に少なくとも80人以上の感染が判明。地元自治体の店名公表で場所がゲイクラブと分かった。

 感染は今月2日未明、歓楽街・梨泰院のクラブなどをハシゴした20代男性から広まった。関連の感染者は50人余り。

 韓国では感染者の行動経路を自治体が詳細に公開している。「公表された3店舗は、いずれも若くて細いオシャレ系の子たちが集まる店。連休さなかの金曜夜とあって、中は満員電車状態だった」とは現地関係者。政府の推定ではその夜、この3か所のクラブを訪れたのは少なくとも1500人以上だという。

「人口約1000万人のソウルで感染者は700人未満、死者は2人。東京は同じくらいの人口(約1395万人)で、感染者数が約7倍、死者は150人以上でしょ。コロナの影響で仕事が潰れたりはあったけど、周りで感染者が出たという話は聞かない。ほぼ安全という気の緩みはみんなあったと思う」と韓国人ゲイは声を潜める。

 集団感染の発覚後、ソウル市は客らにウイルス検査の受診も要請したが、朴元淳市長は名簿に記載された約5500人のうち3000人以上は11日時点で連絡がつかず「電話にあえて出なかったり、うその番号を書いたりしたとみられる」と指摘する。

 舞台となったクラブは同性愛者が多く集まる場所として知られ、偏見を恐れて、うそを書いた人もいるとみられる。マスク未着用も判明しており、要請の不徹底も明らかになった。

 外出自粛要請解除の翌日(7日)に発覚したニュースとあって、現地では格好のネタに。メディアやネット民はクラスター発生場所に注目し、その結果、同性愛者へのバッシングという2次被害も生んでいるという。また政府は、13日から順次予定されていた小中高校生の登校を1週間延期することを決めるなど、影響が広がっている。