ベトナムで仰天事件! 銀行強盗女はテレビ有名人だった

2020年10月18日 10時00分

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】ベトナム・ホーチミン西部タンフー区のテックコム銀行に10日昼すぎ、マスク、帽子にサングラス姿の小柄な女が乱入した。バッグに入ったガスシリンダーのようなものを見せ「ここに爆弾がある。死にたくなければ金を出せ」などと脅し、現金約21億ドン(約950万円)を強奪した。

 外で待たせていたタクシーで逃走した女は、近くのスーパーのトイレで着替え。その後、デパートでも再び着替え、追っ手をまこうとしたが、3時間後にあえなく御用となった。

 爆弾は偽物だったが、取り調べに「借金返済のためだった」と話すこの女銀行強盗はフォン・ティ・タン容疑者(24)。なんとテレビによく出ており、ベトナムでは知られた存在だった。現地駐在員は「芸能界デビューを夢見て、いくつものオーディション番組などに出ていた。それらが次々と発掘され、いまSNSで拡散中」という。

 コメディー系オーディション番組には自称「フリーの歌手」として出場。自作曲をコミカルに歌って審査員を笑わせ、賞金200万ドン(約9000円)を獲得。また恋愛カップリングショーにもチョイ役で出演し、本気か演出か不明だが、イケメン歌手に告白し、フラれている。

 昨年には、ベトナムや日本などアジア7か国で開催されたグローバルオーディション「Z―POP Dream」に「カンピ」という名前で出場。最終ラウンドのトップ4まで残った。優勝者は男女2人で、最大200億ドン(約9100万円)の賞金と、歌手としてトレーニングを受けた後の韓国デビューが約束されていたため「その夢があと一歩で破れたのが犯行のキッカケでは?」と地元民は噂している。

 カンピの名でユーチューブもやっていて、これまでアップした動画は50本。大半はローカルソングの歌唱動画だが、韓国語や英語、中国語、また米津玄師の「Lemon」や西野カナの「Best Friend」などJポップを日本語で歌ってもいる。発音は流ちょうで、歌唱力もなかなか。ペットのサルや子犬と戯れる動画なども投稿している。

 チャンネル登録者は5500人近くだが、今やコメント欄は「刑務所との長期契約おめでとう」「出所時の足しになるよう広告をクリックしてあげよう」「願い通りたくさんの注目を集めたね」などと荒れまくっている。

「昨年、銀行で45億ドン(約2000万円)奪った男2人組の強盗には、それぞれ終身刑と懲役20年の判決が下った。フォン容疑者も同様に、かなりの長期刑を食らいそう」(前出駐在員)

 銀行強盗じゃなくても、その美貌や美声を生かす道はいくらでもあっただろうに…。

 ☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「バンコクドリーム『Gダイアリー』編集部青春記」(イースト・プレス)。