【山口敏太郎の現代妖怪図鑑24】「ヤマノケ」山の妖気が凝り固まって生まれた魔物

2021年01月20日 11時30分

ヤマノケ
ヤマノケ

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第24回は「ヤマノケ」だ。

 山の妖怪「ヤマノケ」は「テンソウメツ」と言いながら山の中を移動する。ウルトラマンに出てくる怪獣「ジャミラ」のような姿をしており、首がなく、胸にあたる部分に顔がついている。一本足で手をむちゃくちゃに振り回しながら、跳ね回るという特徴的な動きをとる。

 ヤマノケという名前は“山の気”とでも表記するのであろうか。どちらにしろ、山の妖気が凝り固まって生まれた魔物と推測できる。

 女性に憑依する妖怪であり、憑かれると正気を失ってしまい、もし49日を過ぎてもヤマノケが身体から離れないと一生そのままだという。

 ヤマノケが憑依した直後は「入れた、入れた」と喜ぶらしく、しばらくすると「テンソウメツ」とひたすらつぶやくらしい。憑依された女性を違う女性に近づけると、その女性もヤマノケに憑かれてしまうので、寺などで隔離するのがベストだといわれている。

 なお、首がなく、胸のあたりに顔がある形状は中国の神である「形天(けいてん)」をほうふつとさせる。また、一本足でぴょんぴょんと跳ね回る様子は「一本だたら」に代表される山の妖怪そのものである。

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