【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑347】陸上に上がることができる?絶海の孤島にすむ「ヘレナマナティー」

2020年01月31日 12時00分

写真は「アメリカマナティー」

 この連載では、既に絶滅してしまったとされる生物が実は生きていた事例も未確認生物の一種として紹介している。現在では居ないはずだが、さりとて生き残っているという確証も取れず、証明できていないので未確認生物のカテゴリーに入るというわけだ。

 中には絶滅したはずが、本当に生き残っていたと確認されるものもあり、以前紹介した「ザンジバルのヒョウ」は個体が動画で撮影されたことから、めでたく絶滅動物からは外れるのではないかとみられている好例だ。

 ザンジバルのヒョウや日本の西表島にいるという「ヤマピカリャー」しかり、島という限定的な環境では固有種が生まれやすいようだ。

 今回紹介する「ヘレナマナティー」ことセントヘレナ島のマナティーもその一つだ。

 ナポレオンが幽閉された地であることでも知られる南太平洋の火山島、セントヘレナ島。アフリカ大陸から2800キロ離れた、まさに絶海の孤島といえる島だ。

 この島の海岸周辺にはかつてマナティーが生息していたという。マナティーといえば「海牛」とも呼ばれる丸みを帯びた大きな体が特徴的な生物だ。南北アメリカ大陸やアフリカ大陸など一部の地域で確認されており、地域によっては著しく個体数を減らして絶滅の危機に瀕していた。しかし近年では個体数回復の努力が実り、2017年には絶滅危惧種リスト入りを回避できたという報告が出ていた。

 そんなマナティーの固有種ではないかと言われているヘレナマナティーは、他のマナティーとは違う大きな特徴が存在したという。なんでも半水生、つまりアザラシなどのように陸上に上がることができたというのだ。しかし、セントヘレナ島がイギリスの植民地となり、多くの人々が流入してくると、すみかを追われて絶滅した、と言われている。

 マナティーはその体つきからヒレで体を支えることができないと考えられている。また、海域にも生息はするが、長距離を泳ぐことが可能かは不明だ。ヘレナマナティーはアフリカ大陸から流れて来れたのだろうか?

 実はヘレナマナティーは目撃例も2例しかなく、ほぼ伝聞でのみ存在が確認されている生物でもある。そんなわけでヘレナマナティーはアザラシやアシカの誤認である可能性が高いと見られている。

 マナティーの特徴として丸い尾があるが、例えばケガなどで変形した尾びれをしたアザラシを見た人が、マナティーと誤認した可能性はある。

 また、セントヘレナ島にはゾウアザラシの繁殖が確認されているため、今回のマナティーについてはやはり誤認にすぎないと判断したほうが良さそうだ。