【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑316】トンネル工事中に発見!?「生きたまま発見された翼竜」

2019年06月28日 12時00分

 こんな話がある。1945年、アイルランドで子供たちが奇妙な鳥の死体を発見した。最初は面白がってその死体をいじくり回していた子供たちだが、そのうち飽きて、その鳥の死体を埋めて、家に帰った。子供たちが大人たちにその話をしたところ、どうも始祖鳥と似ているということになり、大人たちが奇妙な鳥を埋めた現場に向かって死体を掘り返した。しかし、死体は見つからなかったという。

 始祖鳥が実際に現代まで生きていたのかはともかく、既に絶滅したはずの生物が目撃されたというケースはたびたび報告される。

 例えば、有名な古生物の生き残りの話で、こんなエピソードがある。1856年、フランスのサン・ディジェからナンシーへ抜ける鉄道トンネル工事が進んでいた。作業は順調だったが、ある石灰岩層に行き当たった時に異変が起きた。

 ひときわ大きな岩を割ると、奇妙な鳥が生きたままくぼみから出現したのである。それは不気味な顔をしており、歯の並んだ口に、コウモリのような翼を備えた生物で、前肢は薄い膜でつながっており、先に鉤爪(かぎづめ)があった。

 そう、鳥というよりは中生代の翼竜ともいうべき生物だったのだ。この翼竜は地上に出た途端、不気味な鳴き声を一声上げて、死んでしまったという。つまり、岩石から出てきた段階までこの翼竜は地下で生きていたということになる。

 この話は飛鳥昭雄氏の著作ほか、未確認生物関連の書籍やオカルト系の書籍で紹介されることも多いため、知っている人もいるかもしれない。その後、翼竜がどうなったかについてはさまざまだ。

 翼竜がいた地層はジュラ紀の石灰岩にあたる青色石灰岩であったため、博物学者によって当時の堆積物に覆われたまま長い時を経てきたことが明らかになり、中にはそのままフランス政府によって回収されたとも、死体が保存されたとする話もある。

 だが、この話は実は創作とみられている。フランスの地方紙が1856年1月12日の創作話として掲載した後、イギリスの新聞で英訳紹介され、再びフランスの書籍で紹介されて広まっていったものと考えられている。

 その後、「怪奇現象博物館—フェノメナ—」という書籍に掲載され、邦訳されて日本でも広まったというのが「生きたまま発見された翼竜」の話のようだ。

 ここから考えていくと、昔から信じられている世界中の未確認生物の話のいくつかは、この翼竜の話のように創作からスタートしているものが少なからずあるのかもしれない。