世界で最も有名なビッグフット映像は、実は着ぐるみを使った捏造だった!? その決定的証拠とされる〝リハーサル映像〟を公開するドキュメンタリー映画「キャプチャリング・ビッグフット」が20日、米国の劇場とアマゾン・プライム・ビデオで公開される。伝説的な映像をめぐる真贋論争に終止符が打たれるのか――。

 世界を震撼させた映像は、1967年10月20日に米カリフォルニア州ブラフ・クリーク付近で撮影された59秒の無声映像「パターソン・ギムリン・フィルム」。ビッグフットと思われる巨大な毛むくじゃらの生物が森の中を歩き、振り返る姿をとらえたもので、長年にわたり真偽が論争になってきた。

 マーク・エヴァンス監督のドキュメンタリー映画は、この映像の謎に迫るものだ。製作のきっかけは、2022年6月に監督のもとへ届いた1通のメールだった。差出人のテレサ・ブルックス氏は、亡き父親が50年以上も金庫に保管していた16ミリフィルムの調査を依頼。父親は、パターソン氏らとつながりのあったボーイング社のフィルム部門責任者だった。

 フィルムをデジタル化すると、驚くべき映像が現れた。そこには、「パターソン・ギムリン・フィルム」とそっくりの動きで森を歩くビッグフットらしき姿が映っていた。フィルムの刻印は1966年製を示しており、監督は「最終的に分かったのは、これはテスト撮影、つまりリハーサルだったということです」と判断した。

 さらに、撮影者ロジャー・パターソン氏の息子クリント氏も映画に登場する。父親が自宅裏のドラム缶でビッグフットの着ぐるみを少しずつ燃やし、処分するのを目撃したと証言した。

 パターソン氏は映像を使って各地で上映会を開き、入場料として1人2ドルを徴収。現在の貨幣価値で数百万ドルに相当する収益を生み出したという。ところが、今回の映画が新たな騒動を巻き起こしている。

 映画には、ビッグフットの着ぐるみを着ていた本人だと告白した80代のボブ・ヘイロニマス氏も登場している。米ニュースサイト「キトサップ・スモークスタック」が先日に掲載した監督のインタビューによると、3月のSXSW映画祭で作品を鑑賞したビッグフット専門YouTuberが、従来の見解を改め、映像は捏造だったとする見解を動画で公表した。

 すると、ビッグフットの実在を信じる人々から激しい批判が殺到。監督によれば、男性は殺害予告まで受けたと訴えているという。しかも、この男性の試写会参加には珍妙な舞台裏があった。製作陣は男性がスマートグラスで映画を隠し撮りしようとしているとの情報を得た。入場時にグラスを預かったうえで、なんとビッグフットの着ぐるみを着たスタッフを隣の席に座らせ、撮影しないよう監視させたのだ。監督は〝ビッグフット警備員〟だったと笑いながら振り返った。

 監督は着ぐるみについても、1966年のリハーサルから翌年の本番までに改良が加えられ、中に入る人物も変更されたと推測している。なお、映画が追及するのは、あくまで「パターソン・ギムリン・フィルム」の真偽であり、ビッグフットというUMAの実在を否定するものではない。