ドジャース・大谷翔平投手(32)の2026年の戦いが15日(日本時間16日)にあっけなく終わりを迎えた。待望の一発もむなしく、ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)に屈辱の4連敗。悲願だったワールドシリーズ3連覇への道を閉ざされた。大谷は度重なる故障と打撃不振により、米メディアから二刀流廃業論が相次いで噴出。これまでの歴史的活躍で地球外生命体のように扱われてきたが、ついに人間に〝回帰〟する節目のシーズンとなった。

 ドジャー・スタジアムが地鳴りのような大歓声に包まれたのもつかの間だった。2回に8月18日(同19日)のロッキーズ戦以来、116打席ぶりとなる特大3ランを放ち、リードを一時4点に広げた。しかし、その後は無得点に終わり、投手陣も相手の粘り強い攻撃に耐え切れず、4―6でスイープされた。大谷は「本当に悔しい。今はそれだけかなとは思います」と悔しさを押し殺した。

 今季はとにかくケガに泣かされた。3月に開催されたWBCに日本代表として出場した後、開幕から投打二刀流でシーズン完走を目指したが、左ヒザの炎症や右上腕二頭筋を痛めて7月3日(同4日)の登板を最後に投手を封印。打者に専念した後も状態が上がらず、ポストシーズンに入ってからは打順も2番や5番、4番、6番、そして最後は定位置の1番と日替わり状態だった。

 度重なるコンディション不良から米メディアからの風当たりも強まっている。「ビッグ・リード」が「彼に投げさせることにどれほどの意味があるのか」と投手の完全封印を唱えれば、地元紙「カリフォルニア・ポスト」までもが「打撃と投球のフルタイム生活に別れを告げる」と二刀流の廃業を主張した。

 当の大谷は「自分の中でふがいないというか、不満があるポイントではあるので。全部やるつもりで」とまるで意に介さなかったが、今後も二刀流を継続させるべきかの議論は紛糾しそうだ。

 ただ、こうした話題が上るのも今までの活躍が異次元すぎたからだともいえる。24年は54本塁打、59盗塁で史上初の「50―50」を達成。昨年10月のブルワーズとのNLCS第4戦では「1番・投手兼指名打者」で先発出場し、投手として7回途中まで無失点で10三振を奪い、打っては3本塁打と球史に残る伝説を打ち立てた。

 そんな大谷もケガをすることもあれば、スランプに陥ることもある。調子が上がらなかったブレーブスとの地区シリーズ中には米メディア「ヘビー」が「大谷もごく普通の人間だ」と報道。さらに、この日の終戦を受けて老舗誌の「スポーツ・イラストレイテッド」も、大谷らスター選手を次々と補強してきたドジャースについて「ブルワーズは結局のところ彼らも人間であることを証明した」と断じた。

 これまで大谷が歩んできた道のりがすごすぎたため「ユニコーン」や「地球外生命体」「別の惑星から来た人」などさまざまに形容され、なかなか人間扱いされてこなかった。しかし、思い通りに事が運ばない〝人間味〟をのぞかせる1年となったことで、巡り巡って実在する地球人に舞い戻った格好だ。

 当然、やられっぱなしでは終われない。大谷はすぐさま「また来年からの糧にしたい」と雪辱を誓った。円熟味を増した姿でグラウンドに戻り、27年は再び世界一の座に返り咲く。