夫と性交した女性の盗撮動画を他人に提供し、性的映像記録提供や詐欺未遂などの罪に問われている妻の小野晴香被告と、内縁関係にある小野凜被告の公判が6日、東京地裁で開かれた。

 起訴状によると、2人は晴香被告の夫である小野洋平被告と共謀し、洋平被告が「パパ活」で知り合った女性と性交する様子を盗撮。動画サイトに投稿し収益を得たうえ、晴香被告はこの女性に対して「不貞行為によって夫婦関係が破綻した」といいがかりをつけ、慰謝料をだまし取ろうとした詐欺未遂の罪にも問われている。

 この日行われた被告人質問で、洋平被告が暴力によって2人を洗脳状態にしていたことが明らかになった。焦点はなぜ2人が一夫多妻生活を送り、洋平被告の犯罪に加担したか、だ。

 晴香被告は両親との関係が悪く音信不通状態だった。そんな中2019年に洋平被告と出会い交際を開始。当時の洋平被告の印象は「優しくて、よくしゃべる人」。しかし洋平被告が立ち上げた会社の仕事を手伝うようになり、ミスをすると暴力を振るわれるようになった。

 その後、会社は廃業。洋平被告はパパ活女性からお金をだまし取る「いただきおじさん」を計画し、そのために入籍した。悪いことと分かっていたが、暴力を受けており従うしかなかったという。

 晴香被告は「殴る蹴るは日常茶飯事。マンションの踊り場に段ボールを敷いて寝かされた」と証言。洋平被告から無能扱いされ「自分は無能だから洋平さんと一緒にいないと何もできない」と洗脳状態になった。捜査で洋平被告の洗脳マニュアルメモが見つかり、「自分は道具でしかなかった」と洗脳状態から脱した。

「洋平被告はどういう存在か」と問われると「恐怖。二度と会いたくない」と答えた。

 一方の凜被告は大学3年生の22年に洋平被告と出会った。会ったその日に性暴力を受け、洋平被告の付きまとい行為が始まった。親と連絡を絶つように言われ、消費者金融で借金をさせられ、離れられない存在になった。23年に上京し、一夫多妻生活が始まった。晴香被告同様に暴力を受け、位置情報共有アプリで行動を監視された。

 犯行ではホテルの予約から女性の身分証の撮影、動画編集、お金の管理といった全般を担った。加担した理由を問われると「自分で考えることをやめてしまった」と答えた。

 2人の壮絶な証言に法廷には重苦しい空気が漂った。