7月期の地上波ドラマは28日の「夫を殺したはずなのに」(テレビ東京系)でおおむね放送を終えた。この日は同作と直前の「GTO」(フジテレビ系)で同様のシーンが流れる〝珍事〟もあった。

「夫を殺した――」は内田理央と渡邊圭祐のダブル主演。児童養護施設で働く莉乃(内田)は、夫の慶太(渡邊)が愛人と性行為に及ぶ動画配信を見て、復讐の刃を刺す。ところが自身は愛人から返り討ちに。すると時間が戻って同じ日を迎え、再び復讐。タイムリープを繰り返し、殺し殺される。自身と慶太の隠された〝関係〟も判明し、離婚を決めた。

 ところが最終回、莉乃は慶太が差し出す離婚届を破り裂いた。「どうせ正解がないなら、慶太が隣にいる人生を諦めたくない」と驚く慶太に伝えた。

 その1時間ほど前に始まった「GTO」では、離婚やむなしと観念した教師鬼塚(反町隆史)から渡された離婚届を、妻あずさ(松嶋菜々子)がビリッとひと裂き、ふた裂きした。離婚はあずさが突きつけたものだったが、届出用紙とともに鬼塚に突きつけた「グレートティーチャーとは」の質問への正解を見いだしたようだった。

 相次ぐ妻の離婚届ビリビリ。「GTO」は不倫ドラマではないが、今期は「夫に不倫をお願いされました」「一緒にごはんをたべるだけ」(テレ東系)、「もう1度夫婦になりますか?~カモフラージュ夫婦~」(日本テレビ系)の不倫系3作も、ことごとく離婚危機脱出か復縁で終わっている。

「夫に不倫――」は、セックスレス解消を求める妻(中村ゆりか)に、無機質合理主義者の夫(佐野玲於)が公認で不倫を許す。かねて自分に気があった幼なじみと関係を持った妻は、ついに離婚を決意。だが、夫婦でカウンセリングを受けたことを機に潮目が変わり、別れる選択肢は消えた。

「一緒にごはん」は、ダブル主演の早見あかりと伊藤健太郎が不倫に陥った男女を演じた。編集者のレイ(伊藤)と料理講師のタキ(早見)。ともに配偶者に不満がある2人は強くひかれ合う。レイは離婚に傾き、タキは夫から〝容認〟の言葉も出る。ところがタキは、好きでも関係を断つ道を選んだ…。

「もう1度――」は、不倫夫(前田公輝)に三行半を突きつけ、巨額慰謝料も払わせた妻(森迫永依)が再び元夫と結婚する物語。妻は妊娠を隠して離婚後に出産したが、元夫に偶然見つかり、つきまとわれる。だが不倫の代償で左遷された元夫は生まれ変わり、その誠意が認められた。

 芸能界では不倫報道一発アウトのケースもみられる中、この7月期の不倫系では軒並み、離婚危機回避か復縁で落ち着く形となった。

 対照的に、異なる理由からTBS系「Tシャツが乾くまで」、フジテレビ系「Tokyo middle 30」では主演、主要人物の女性が離婚の意思を貫いた。前者の咲子(蒼井優)、後者の薫子(深川麻衣)は悩んで固めた自らの覚悟を大事にした。別れた相手との関係が悪くないのも共通している。

 いまやドラマに最も多く登場する書類と化した離婚届。果たして10月期では…。