女優の秋吉久美子(71)が、音楽劇「『僕と君とピアフ』~あなたはエディット・ピアフを知っていますか?~」(9、10日、東京・南青山MANDALA)に出演する。歌のステージは一昨年の初演以来敬遠し、それまでカラオケすら行かなかった。そこには過去の歌番組での苦い思い出があったからだという。本人が取材で明かした。
この音楽劇は、フランスの国民的歌手であり、20世紀最大のシャンソン歌手として知られるエディット・ピアフ(故人)のオマージュだ。舞台は現代のとあるバー。バーテンダーをしながらミュージシャンとして生きる青年が、客と本や音楽を通してピアフの魂を感じ、心を通い合わせる物語だ。
秋吉は「ピアフという人はこういう人だったんだねってことを学んで帰ることができる上に歌も聞くことができる。お芝居も見られる」とアピールした。
過去に秋吉は「カウンターカルチャー的な、自分で詞を書いたり…」といったアルバムを2枚リリースしているが、一昨年の初演まで長年、歌の仕事をほぼ敬遠してきた。
それには理由がある。1992年に歌番組「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ系)に出演した時、歌手たちが歌いつなぐオープニングメドレーでの苦い思い出があるからだ。
「私の前が(韓国人演歌歌手)桂銀淑さんで、私、トシちゃん(田原俊彦)だった。(桂の歌唱を)聞いたらうますぎてドキドキしてきて、もう真っ白になってきて『どうしよう』って言ったら、トシちゃんが『次は僕だから大丈夫だよ』って言ってくれたんですよ」
秋吉はその時〝こんな優しい子がいるのか〟〝一生私は彼のことを敬愛して生きなきゃ〟と確信したという。だが年齢を重ね、よくよく考えてみると…。
「これは作戦だったんじゃないかな?って。桂銀淑の後にトシちゃんじゃ(歌唱力に差が出て)マズイから、私を挟んだんじゃないかなと…」
その思い出のせいでカラオケすら行かなかった。ところが初演の時、脚本・主演のシャンソン歌手・聖児セミョーノフ(41)に歌の指導を受け、誘われたのがキッカケでカラオケデビュー。交流こそなかったが、同じ時代を駆け抜けた山口百恵、中森明菜などがレパートリーだという。
「明菜ちゃんもかわいそうだったなあって。歌のうまい子が(長期休業)とかね。百恵ちゃんのように『秋桜(コスモス)』から『プレイバックpart2』まで歌える人も数年で引退。思うところ、深いですね」
秋吉の歌について、セミョーノフは「声がホントにステキ。秋吉さんしか出せない味がある。いろいろな経験を重ねてきた中から出てくる説得力とかが、すごく歌を聞いていて感じる」と絶賛。
それを横で聞いていた秋吉は「すごくうれしいけど、カラオケで(明菜の名曲の)『TATTOO』を歌ったら、(カラオケ友達)みんなに『イマイチ!』って言われて…。どこで息吸っていいか分かんないじゃないですか、『TATTOO』って。あの歌難しいですよね」と恐縮していた。













