ボートレース大村のSG「第37回グランプリ」が18日、優勝戦が行われ、1号艇の白井英治がインからコンマ09のスタートを決めると、外5艇を寄せつけ、ず1M出口から独走。もつれる2着争いを尻目に栄光のゴールを駆け抜け、3回目のSG優勝を初のグランプリVで飾った。

 決戦当日の南国・大村には朝から雪が舞い、水面上空を白く覆った。ホワイトクリスマスならぬホワイトグランプリ。これが何かの予兆であるならば、白いカポックに身を包んだ1号艇〝白〟井英治の優勝しか考えられない。地元Vを狙う原田幸哉、勢いは一番の深谷知博、成長株の磯部誠と片岡雅裕、そして賞金ランクトップで大会に臨んだ馬場貴也と、いずれもグランプリ覇者に値する強豪だが、今節の白井が発散するオーラの前にはかすんで見えた。

 2着争いだけに焦点を当てれば、馬場の鬼気迫る追い上げは鳥肌もの。しかし、はるか前方を悠々とひた走る白井の背中はあまりにも遠かった。まさに回った瞬間にVを確信させる完璧な逃げ。思い起こせば、トライアル3連勝で優勝戦1号艇を手にした2014年の平和島「グランプリ」、茅原悠紀の差しに屈して涙を飲んでから、8年の時を経て栄光の日を迎えた。

「今年は関係者と白井英治ファンの皆さまを悲しませたので、最後は最高の笑顔で終わりたいと思っていました。レーサーとして人として、成長してこれたのはボートレースのおかげです!」

 SG通算36優出のうち33回は敗戦である。中には傷ついた戦いもあったはずだ。8月の浜名湖「メモリアル」優勝戦でのFは、自分だけでなく周囲をも巻き込んでしまったことを、責任感の強い白井が悔いていないはずがない。

「F休みは肉体も精神も充実していたので、今節は自信を持って臨めました。優勝戦は〝無〟になって走りました」

〝無〟の境地にたどり着いた白井が来年見せてくれるもの――。ファンは楽しみにしていることだろう。