お笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行(29)が独立リーグのルートインBCリーグ・栃木に入団することが19日発表された。東京都内で開かれた入団会見では喜色満面。「やればできる!」と叫ぶ異能の芸人が、ついに「プロ野球選手」の夢をつかんだ。
高岸は高校球界の名門・済美(愛媛)から東都大学リーグの雄である東洋大へ進み、投手としてプロを目指していたが、故障により夢を断念した経緯がある。先日行われた栃木のトライアウトに挑戦して合格し、「投手」として選手登録された。なお背番号は「16」に決まった。
この日の会見では〝豪華〟なトライアウトの模様も明かされた。高岸は元ロッテで栃木に所属する成瀬善久(36)選手兼投手コーチらが見つめる中シート打撃に登板し、打者2人と5打席勝負。「手首が安定していない」と振り返ったものの、最終打者から空振り三振を奪うなど5打数1安打に抑える上々の内容だった。
ちなみにバックを守ったのは、元ソフトバンクの川崎宗則。憧れのスターから「思い切っていけ」と熱いエールを受けながらの〝真剣勝負〟だった。「バックの声がなかったら全部四球で終わっていました。応援でなんとか投げ切れました。悔いなく出し切れました」とトレードマークの笑顔で語った。
〝本職〟の選手たちの評価もリップサービスには聞こえない。シート打撃で対戦した佐々木斗夢によると「ボールが動く。日本人ぽくないボールの性質」。捕手の叺田(かますだ)本気は「芸人さんが投げる球じゃない」と舌を巻いた。元巨人の寺内崇幸監督も「〝やればできる〟という姿を見せてほしい」と高岸の決め台詞を交えつつ、真顔で期待を寄せた。
芸人としての相方であるティモンディ・前田裕太(29)にトライアウト合格を伝えると「ひたすらに笑ってくれた」という。「いつもサポートしてくれる、僕の親友でありヒーロー。『良いんじゃない』と背中を押してくれた前田の応援のためにも全力でチャレンジしていきたい」と、済美高時代にバッテリーを組んで共に甲子園を目指した相棒への感謝を口にした。
昨年、札幌ドームで臨んだ始球式では142キロを計測して世間を驚かせたが「練習では143キロも出ています。自分の体感では心の球速は180キロ出ている」とドヤ顔。夢だった〝プロ野球投手〟としての第一歩となる初練習は、25日の予定だ。「野球の現役という点では10年目の実戦復帰。何歳からでも挑戦するのは遅くない、いつからでもやりたいことに挑戦するのは楽しいということをプレーで伝えていく」と熱い思いを語った。
お笑い芸人とプロ野球選手の〝二刀流〟となる高岸は、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演するなど俳優としても活躍の場を広げている。兼業をこなすのは容易ではなさそうだが、この男は本気だ。「肩書きが何であれ、僕の人生の目標は『応援』。役者であれ野球業であれ、全てを通じて皆さんに勇気を与えることに命をかけます」と語ると「みんななら、やればできる!」と絶叫。長いコロナ禍に苦しんだ野球界が〝最速芸人右腕〟の登場でにわかに熱くなってきた。












