映画「PLAN 75」の大ヒット記念舞台挨拶が7日、東京・渋谷の映画館で行われ、俳優の磯村勇斗(29)と早川千絵監督(45)とが登壇した。

 超少子高齢化社会が進み、対策として満75歳から生死を選択できる制度〈プラン75〉が施行された近い将来の日本が舞台。夫と死別し、高齢になっても働き続ける主人公の角谷ミチを倍賞千恵子(81)が、制度の申請窓口で働くヒロム役を磯村が演じる。

 早川監督は「人の命を生産性で語り、社会の役に立たない人間は生きている価値がないとする考え方は、すでに社会に蔓延しています。人々の不寛容がこのまま加速していけば、〈プラン75〉のような制度は生まれ得るのではないか。そんな未来は迎えたくないという思いがこの映画を作る原動力となりました」と制作意図を明かす。現代日本の生活と地続きの未来であることを表現するため、あえて未来的な描写は入れていないという。

 ヒロム役を演じる磯村は、プライベートでも役作りを徹底。疎遠な伯父・幸夫役を演ずるたかお鷹(73)とは「クランクインの日から『あまり話さないようにしよう』と決めていました。空白のある、気持ち悪い2人の時間っていうのが現場でもオフでも流れていた」という。改めて、「たかおさんの先輩としてのすごさを感じました」と振り返った。

 年齢による命の線引きというセンセーショナルなモチーフを描く同作。磯村は「たくさんご年配の方が見てくださっているけど、自分たちと同じ世代にも知ってほしい。日本や社会に対して意識を持ってもらえるよう、広めていってもらえたら」と締めくくった。

 同作は第78回カンヌ国際映画祭にも出品され、公開から19日で興行収入2億円を突破。舞台挨拶にも会場に収まりきらないほどの報道陣が詰めかけた注目作だ。