見た目どおりに優しいところと意外に厳しいところがある――。処女作「火花」で、「第153回芥川賞」に輝いたお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)。その素顔は、いかにも文学青年タイプと思いきや、体育会系のシビアさを持ち合わせ、その厳しさが中学時代に問題になりかけたこともあったという。そんな“見かけによらない顔”を中学校の同級生であるお笑いコンビ「キャラバン」の難波麻人(35)が本紙に明かした。
同じ中学で学んだ2人は、ともに所属していたサッカー部で難波が主将、又吉が副将を務めていた。
「又吉くんはプレーで引っ張るタイプ。僕は又吉くんと他の部員をなじませるというか、そういう役割が多かったですね」
ソフトな語り口で優しそうなイメージのある又吉だが、中学時代は意外に怖い一面があったという。
「中学校のサッカー部は、結構『楽しくやっていればいい』みたいな考えでやってるヤツも多いけど、又吉くんはそういうヤツらにも『やらなアカン!』と厳しく接していた。サッカー部でも『又吉くんが厳しすぎる』などと言われて問題になったこともありました」
当時から又吉は「自分が信じてることを絶対に守る人だった」そうで、笑いに関しても全くブレないとか。
「売れてるとか売れてないに関係なく『自分が面白い』と感じることを大切にする。そういうところを守るんです」
受賞作となった「火花」は、先輩芸人・神谷に憧れる後輩・徳永の視点で描かれるが「この2人、どっちも又吉くんっぽい」。一般的には「火花」は“又吉の自伝的小説”と捉えられており、徳永のモデルが又吉と言われるが「神谷のお笑いに関する考え方は、又吉くんらしい。信念の部分であったり。彼はああ見えて、我が強いところがありますから」。
ただ又吉は、厳しさだけでなく優しさも持ち合わせている。「彼について厳しいと思ってる人もいれば、優しいと言う人もいる。それは又吉くんの中にルールがあって、そこを逸脱してるかしてないか、という判断があると思う」
中学卒業後、別の高校に進んだが「それでもずっと一緒でしたね。クラブが終わったら遊んだり。芸人になってからも連絡取り合ってました」。
芸人になってから又吉は難波に対して、こんな優しさを見せたことがあるという。
「一時コンビを解散したりして、僕がうまくいってなかったんです。そんな姿を見せるのがイヤで、僕からは連絡取ってなかったんですけど、そういう時でも又吉くんは電話とかメールくれてた」
それでも難波の方が避け続け半年ほど連絡を取ってなかったが、難波の誕生日に長文のメールが送られてきたとか。
「内容は『オレとお前はずっと同じ関係でありたい』『お前のことが面白いと思う気持ちは絶対変わらへんから』というものでした。今から5年前くらいかな? それからまた連絡取り合うようになりました」。今では週に1度は会っているという。
最近は“又吉先生”なんて呼ばれているが、難波は「いまだに知らん人から声かけられたら、小っちゃくなってますし、あまり先生らしさはない(笑い)。ギャルの集団に囲まれたりしたこともあったけど、ずっと苦笑いしてたし」と明かす。
さらに又吉が芸人を辞めることもないとか。「又吉くんは『芸人としてちゃんとしたい』と思ってる。芥川賞を取っても、作家に専念するようなことはない。よりお笑いに積極的になると思います」と話した。
この調子なら、芥川賞作家となっても又吉がふんぞり返って偉そうになることはなさそうだ。












