東京五輪に出場するU―24韓国は、1次リーグの組み合わせに恵まれたのも束の間、本番に向けた強化試合実施のメドが立たないピンチを迎えている。

 1次リーグB組のU―24韓国代表はニュージーランド、ホンジュラス、ルーマニアと同組。同A組でフランス、メキシコ、南アフリカと同じA組に入ったU―24日本代表と比べると、〝天国と地獄〟と言っていいほど恵まれた。B組1位突破は確実とみられ、もし日本が2位突破なら準々決勝で激突する。

 金鶴範監督(61)は「我々より弱いチームはない。どのチームも侮れず、最善の準備をしなければならない」と引き締めに躍起だが、それ以上に厄介な問題も抱えている。来月に韓国国内で強化試合を実施し、チーム強化を図るとともに、メンバーの絞り込みを行っていく計画を実行できないかもしれないのだ。

 韓国紙「スポーツソウル」によると、海外勢との強化試合を組むにしても、新型コロナウイルス感染拡大の状況では、相手の入国後に義務付けられる隔離の免除など韓国政府の了解を取り付けなければならない。ただ現在に至っても具体的な動きはない。というのも政府は五輪に出場する他種目との公平性を考慮しているため、サッカーだけ特別扱いできないという。

 そのため代替案としてKリーグチームとの試合やU―24韓国代表が海外へ遠征することも検討されている。しかしKリーグは新型コロナウイルスの影響で延期となった試合を国際Aマッチデー中に行う可能性があるため実現は難しく、海外に行った場合、帰国後の隔離期間がネックとなる。

 このままでは本番に支障をきたしかねない。チームは万全の状態で開幕をむかえられるのだろうか。