先の衆院選で、大阪10区から立候補した立憲民主党の辻元清美氏(61)の応援に駆け付けた自民党の山崎拓元副総裁(85)について、自民党は13日、党紀委員会を開き、党員資格1年停止の処分を決めた。

 山崎氏は辻元氏の応援演説で「小選挙区は絶対に辻元清美であるが、比例区は自民党でお願いします」とあいさつ。そのうえで、辻元氏を「みんなに愛され、行動力のある方が立憲民主党を引っ張ったらいい」とプッシュしていた。

 同選挙区には自民党の大隈和英氏(52)が立候補しており、維新旋風が吹き荒れていたとはいえ、山崎氏が対立候補の応援に入るのはあり得ず、すぐさま大隈陣営からクレームが入り、大阪府連は党本部に除名処分を申し入れていた。選挙では辻元、大隈両氏ともに落選していた。

 自民党の党紀委員会では「党の規律を乱した」として、山崎氏に党員資格1年停止処分とした。

 永田町関係者は「現職でないので、除名こそ免れたが、晩節を汚した。山崎氏が実質的な派閥オーナーである近未来研究会も会長の石原伸晃氏が落選し、後任は森山裕元国対委員長しかいないが、離脱する議員が増え、もう派閥からグループ化は避けられない」と指摘する。

 同派は16日に政治資金パーティーを開くが、存続に向け、厳しい状況に立たされたようだ。