過去最多となる8人が立候補し、しかも個性派揃いで注目を集める千葉県知事選(21日投開票)の政見放送が9日夜から始まり、案の定、カオスな内容となった。

 NHK総合テレビでの放送で、トップバッターを務めたのは「千葉県全体を夢と魔法の国にする党」代表で顔面白塗りのピエロに扮した河合悠祐氏(40)。千葉県のディズニーランド化を公約としているだけに「九十九里浜をシーにしたい」「ディズニースカイをなんなら成田空港で!」と夢は膨らむばかり。

 さらに県内の電車の発車メロディーはディズニーの曲に変更するとして、士気を上げたい朝は『パイレーツ・オブ・カリビアン』、寒い日は『アナと雪の女王』と千葉県のディズニーランド化構想は止まらなかった。

 初っ端から河合氏が火を付けたところに2番手で登場した無所属の加藤健一郎氏(71)はさらに強烈なインパクトを残した。

 日赤医療センターや慈恵医大病院、自治医大病院などで医師として、勤務歴があり、実直そうな経歴と外見とは裏腹に冒頭から「このノンビリした千葉県も戦国乱世の入り口にきている。いつアメリカと中国が戦争になってもおかしくない時代。日本も巻き込まれるでしょう」と警告を発し、そのギャップに驚かされる。
 
 そして「千葉のバイデンになる!」と訴え、県政や日本が抱える問題点を列挙した後に飛び出したのは、小池氏への求婚だった。
 
 加藤氏は「夢は当選して、小池百合子氏と結婚する。(小池氏は)落選するような情けない男は相手にしない。ついでに私事で恐縮ですが、めでたく結婚できるようにご支援お願いします!」とアピール。かつて政見放送を婚活の場に利用した候補者はいただろうか。
 
 加藤氏はプロポーズの場も〝妄想〟しており、1都3県の知事会合の場で、「こそっとプロポーズしようと考えています」と小声で告白してみせた。
 
 最後に「安全安心でおもろい千葉を私につくらせてください」と訴え、笑劇の政見放送は終了した。