「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌「炎(ほむら)」が大ヒット中の歌手・LiSA(33)が4日、中日ーDeNA戦(ナゴヤドーム)でセレモニアルピッチに登場。見事なノーバウンド投球に1万634人の観客からは大きな拍手が沸き起こった。

 今や国民的歌姫となったLiSAとドラゴンズとの縁をつないだのが地元放送局CBCテレビの大澤和代プロデューサー(42)だ。昨年10月、中日の7年連続Bクラスが確定した直後に大澤プロデューサーは2020年のCBC野球中継テーマソングを岐阜県出身のLiSAにオファーした。

「Bクラスが続いている中で明るく応援していきたい思いがあり、地元とつながりがあるアーティストにテーマ曲を歌って欲しいと思っていました」と所属レコード会社のホームページを見て、いきなり企画書を送ったという。するとLiSAサイドからOKの返事が…。こうして新テーマソング「マコトシヤカ」が誕生した。

「想像なんかできない未来をフルスイングで迎え撃とう」というポジティブなメッセージが込められた応援ソングは3月15日に発表されると大きな反響があった。8月24日には中日ナインも登場するこの曲のミュージックビデオがユーチューブで公開されると「カッコよすぎて中日応援したくなるな」「いいなぁ中日」とSNS上でも話題になり、現在まで134万回以上の再生回数を記録。ドラゴンズのイメージアップと新規層へのアピールにつながっている。

 大澤プロデューサーは報道部を経て、落合政権が誕生した2003年オフからラジオ班として中日ドラゴンズを担当。16年からは同局で女性初の野球中継班プロデューサーとなった。だが「野球中継を流していれば視聴率が取れた」時代とは違い、プロ野球中継が地上波で数字を挙げることは年々難しくなってきている。だからこそ「強かった時代を知らない若い人たちがドラゴンズを好きになるきっかけは何だろう」と考え、若者や海外でも人気があるLiSAへの楽曲提供オファーに至った。LiSAも「マコトシヤカ」をきっかけにプロ野球の魅力にはまり、今では熱心にドラゴンズを応援するようになっている。「LiSAさんがドラゴンズを好きになってくれたことで、興味を持ってくれたり、好きになるチャンスはどこに転がっているのか分からない」と大澤プロデューサーは改めて感じたという。

 5-4で中日が勝利した試合後の「アップライジングショー」には「マコトシヤカ」が流れる中、チアドラゴンズと共にLiSAもパフォーマンスに参加。粋な演出にドームの観客席は笑顔であふれた。「ドラゴンズが常に強くあることがファンの方には1番いいんでしょうけど、そこは私たちにはどうにもできない。だからこそ、いつもドラゴンズを楽しく応援するお手伝いがしたいんです」。大澤プロデューサーのこの思いが、LiSAの応援ソング誕生、そしてドラゴンズを活気づけることにしっかりとつながった。