ソフトバンクは21日に東京都内のホテルでドラフト前日会議を開き、3年連続で1位指名選手の事前公表を控えた。城島健司チーフベースボールオフィサー(CBO)が取材に応じ「最終的には決めていない」と断った上で「勝算がゼロだとは思っていない」として、すでにメジャー挑戦意思を表明している横浜高・織田翔希投手(18)の強行指名の可能性に踏み込んだ。
「策士・城島」の真骨頂――。「指名する価値があるのか。ウチの評価は非常に高い選手。去年の佐々木麟太郎の件もあるんでね。2年連続というわけにはいかないかもしれないけど、可能性がないことはないと思っている」。固有名詞は出さずとも、織田を指していることは明らかだった。
さらに、城島CBOは自問自答するように「日本のプロ野球、そしてホークスのため、ファンはどっちが喜ぶんだろう」とも語った。昨秋はスタンフォード大・佐々木麟太郎をサプライズ指名。貴重なドラフト1位枠を失うリスクを承知の上で勝負に打って出た。将来的に「チームの核」となるスター候補獲得を愚直に目指す球団方針に、ホークスらしさがあふれた。
「みすみす魅力のある選手を逃していいものなのか。トライもしないで逃していいものなのか」(城島CBO)。日本球界の「金の卵」である最速157キロ右腕の織田は、今月15日にNPBを経ずにMLB入りを目指すことを表明。本人の意思が重要である一方、このまま指をくわえて見ている切なさを多くの球界関係者が抱えていることも事実だ。
かねてスカウト陣の働きを最大限評価してきた城島CBO。「ウチの優秀なスカウト陣が長い時間をかけて調査した上で出した評価は揺るぎないもの。(ドラフト会場の)円卓で変わることは、僕らはない。だから、監督も出席しないし、今年に関しては王会長も同席しない」。陣頭指揮を執るからこそ、王イズムを継承する男は〝ホークスらしさ〟という姿勢にドラフトへの熱い思いを込めた。
ただ、明確に「織田」の名を出したわけではない。「明日(ドラフト当日)までに決めなきゃいけないこと。それと、それ以外のシミュレーションというところ」とも言及。ドラフトは壮大な化かし合いでもある。揺るぎない信念の表明か、煙幕か――。












