貴重な〝授業〟に感謝感激だ。ヤクルトから戦力外通告を受けた田口麗斗投手(31)が母校の広島新庄高を訪問。教室の教壇に立ち、生徒たちにメッセージを送る動画が同校の公式インスタグラムに掲載され、大きな反響を呼んでいる。

 説明によると、田口が言葉を向けたのは2年生たちの終礼の時間。教室に入るなり、思わぬビッグゲストの登場に生徒たちは「えっ!?」「本物やん」と当然のことながら驚きの声を上げた。うれしい反応にニッコニコの田口は「こんにちは!」とあいさつ。まずは笑顔で「報道でもあったように僕はクビになりました」とやや反応に困る言葉を投げかけると「クビになったんですけど、僕はもともとアメリカで野球やりたいという夢があって」「クビになったんですけど、今が一番ハッピーです。実際。これ本当に」と続けた。

 一般的に球団から非情宣告を受ければ気持ちは沈み、将来への不安に駆られる選手がほとんどだが、田口の場合は〝米球界〟という新たな目標に切り替えられたことで悲壮感はなし。「何でかって言うと、次の目標に向かってようやく走りだせたなっていう気持ちになれているんで」と完全に吹っ切れた様子だった。

 こうした経験は未来ある生徒たちに通じるものもある。大学受験を控える生徒たちを含め「まだ3年生になっていないけど、そういう苦しい状況とかを今から味わってくると思うし。しんどい思いとかキツい思い、いっぱいしてくると思うけど、絶対後から明るい未来が待っていると思うので」と語りかけ「学生ってホンマもう来年で終わりよ。大学行かんかったら。高校までの仲間は大事にしてください。みんな仲良くしてね。いいですか? じゃあ、みんなの未来に幸あれ! ありがとうございます」と締め、拍手を送られた。

 田口は2013年のドラフト3位で同校から巨人に入団。21年3月にヤクルトにトレードで電撃移籍し、今季は14試合の登板にとどまっていた。9月末に来季の契約を結ばないことを通達され、プエルトリコで行われるウインターリーグに参加することが発表されている。

 現役選手が黒板の前に立つ斬新な動画は、投稿から約24時間で102万回視聴される異例の反響。「田口さんは性格的にもアメリカが合ってそうですね」「教師の方が向いている気がする」「メンタル強すぎでしょ」「しくじり先生?」といった反応が寄せられ、同校からは感謝とともに「広島新庄学園一同、田口麗斗先輩のこれからの益々の活躍を応援しております」とエールを送られていた。