巨人は10日に行われた「2026 JERA クライマックスシリーズ・セ」のファーストステージ・DeNA戦(東京ドーム)に1―2で破れた。チームは惜敗したものの、初戦の先発マウンドを託された井上温大投手(25)は堂々たる投球を披露した。

 大舞台に飲まれなかった。井上は8回102球で、3安打1失点、無四球、10奪三振と今季の〝集大成〟を投球で表現。試合開始から3分が経過した初回一死で2番・牧に初球を仕留められ、先制ソロを浴びたものの、その後は最速153キロの直球と変化球を駆使し、追加点を許さなかった。

 牧に本塁打を浴びた場面については「出合い頭の一発みたいなことは昔からよく言われてたので、それだと思い込んで割り切って投げてました」と精神的なショックを抑え「尻上がりに調子がよくなってきた」と〝マイペース〟を取り戻した。

 この日は「緊張感は(レギュラーシーズンと)変わらないですけど、歓声とかが大きいので、やっぱりいつもとは違う試合っていうのは感じながら投げてました」と振り返り「(難しさは)何も感じないですね」と頼もしかった。

 集中力は研ぎ澄まされていた。同点に追いついた直後の2回、中前打で出塁した一走・宮崎をけん制でアウトにする好プレー。控えめなリードと相手の隙を見逃さず、意表を突くプレーで好機の芽を摘んだ。

 この場面については「『自分は多分けん制されないだろう』と。リードが小さかったので、けん制してこないって多分相手も割り切ってたと思う。そういう引っかかりそうなけん制を自分で選択して、そこができたのは良かったなって思います」と自信を深めた。

 勝利には届かなかったものの、安定感と冷静な判断力は光った。井上は確かな存在感を示した。