逆転Vへの切り札は〝雲を読む男〟か。巨人は29日の広島戦(東京ドーム)に3―1で勝利し、首位・阪神とのゲーム差を1・5に縮めた。先発した戸郷翔征投手(26)が8回2/3を2安打1失点と快投。打線では7番で先発出場したリチャード内野手(27)が4回、打球速度181・5キロの豪快な2号2ランをバックスクリーン右へたたき込み、勝利を引き寄せた。
大仕事を果たしたリチャードにナインから祝福の声が飛ぶと、口元に笑みを浮かべながら両手で耳をふさいだ。「浮かれてしまったら僕は終わりだって分かってるので聞こえないようにしました」。独特の〝浮かれ防止策〟で喜びをかみしめた。
25日までの広島4連戦では4試合で計6得点。得点力不足が課題となる中、27日に再登録された大砲への期待はいやが上にも高まる。今季一軍では打率1割台にとどまる一方、二軍では55試合で二塁打10本、本塁打12本、長打率5割5分1厘。ゲームを一変させる一発を秘めるだけに、逆転Vへ〝神頼み〟ならぬ〝リチャード頼み〟の色合いも増してきた。
橋上監督代行も「プラスアルファの効果がある選手」とし、「彼の性格、明るさというかな。そういったものも今のチームにとって非常に大きなプラスを呼ぶと思いましたのでね」と評価する。そのリチャードには、何とも不思議な〝秘密〟まである。
故郷・沖縄では天気が急変しやすく、高校球児にとって雨は悩みの種。母校・沖縄尚学では、比嘉公也監督(45)が怒ると天気まで荒れる――そんな伝説があったという。リチャードも「ありましたね。比嘉監督が怒鳴ると、実際に雷が落ちるんです」と証言。しかも話はそこで終わらない。「僕にもありますよ」と自ら名乗り出た。
右腕には生まれつき薄紫色のアザがあるという。そこをさすりながら「このアザ、形が雲っぽくなってますよね。雨が降る前にはね、ここがうずくんですよ」。声をひそめながら、自身の〝第六感〟を明かした。
残りは3試合。猛虎の背を追う巨人にとって、最後に頼れるのは〝雲型のアザ〟を持つ男の豪打と不思議な力なのかもしれない。












