13日にスタートしたTBS系日曜劇場「キャスター」が、ちょうど1年前の同枠作品「アンチヒーロー」と似たような構図を示している。

 同日の初回、「生ぬるい報道体制を壊す」として新ニュース番組に乗り込んできた主人公の型破りなキャスター・新藤壮一(阿部寛)が、総理の座を狙う官房長官のスキャンダルに迫る様子が描かれた。番組総合演出の崎久保(永野芽郁)ら振り回されるスタッフ。しかも、大スクープとなるはずのニュースが土壇場で進藤によって小ネタに差し替えられてしまった…。

 TBSの番組サイトによると、同ドラマは「テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント!」。とはいえ、もちろんストレートな勧善懲悪ではない。ジャーナリズムの正論を吐く進藤に、崎久保は報道倫理に反する疑惑を突きつける。進藤は取材相手との取り引きもいとわず、清濁併せ呑む人物像が浮かび上がった。

 ダークヒーロー的なメインキャラクターに、仕事をともにする仲間から不審の目が向けられる構図。昨年4月期の日曜劇場「アンチヒーロー」でも、「殺人犯をも無罪にする弁護士」明墨(長谷川博己)に対し、憧れと不信感を抱く部下の弁護士・赤峰(北村匠海)という対立めいた関係がみられた。進藤が明墨、崎久保は赤峰に相当する役柄だ。

「アンチヒーロー」では12年前の一家殺人事件が底流をなし、冤罪が証明されていく。「キャスター」でも冒頭、1982年の空自輸送機の墜落死亡事故のニュース放送を背景に、父親が自宅に火を放つ回想シーンが流れた。助け出された男児は進藤の幼少期であることをうかがわせ、〝通奏低音〟として続いていきそうだ。

 両作品では複数いる脚本家の1人が共通しているが、ほかのスタッフは異なる。X(旧ツイッター)では「アンチヒーロー的な感じかな」「構造的にはアンチヒーローに近い」「これって『アンチヒーロー』じゃん」といった反応が寄せられている。