【直撃!エモPeople】「いろんな人の笑顔の花を咲かせたい」「その笑顔の花で私も頑張れる」。SKE48の最年少13歳でセンターを務める林美澪(はやし・みれい)は、真っすぐな瞳で希望する未来を描いた。閉塞感漂うコロナ禍が続き、世界中で笑顔を失う状況も生まれている。SKE48にとって29枚目となるシングルが9日に発売され、タイトルはくしくも「心にFlower」。ファンの声援がないままセンターに立ち続ける“若き王道アイドル”の胸の内に迫った――。

SKE48は名古屋・栄を拠点とするアイドルグループとして2008年7月に結成。12年から3年連続でNHK紅白歌合戦に出場したが、結成14年目を迎え、グループは世代交代の最中だ。

 昨年4月に絶対的エースだった1期生・松井珠理奈が卒業。昨年9月の28枚目シングル「あの頃の君を見つけた」で、初センターを務めたのがグループ最年少で研究生の林美澪だった。

 今年1月に正規メンバーに昇格。そして最新シングル「心にFlower」で2作連続センターに立つことになった。

「やっぱり意識が違います。研究生の時は『センターで大丈夫なのか?』と不安はあったんですけど、正規メンバーになって、どこか安心してセンターに立てたし、覚悟もできた。責任もありますけど、2回目のセンターで正規メンバーだから、もっと良いものを見せないといけないと思います」
 須田亜香里ら先輩メンバーとの交流も増え、インタビュー取材でも緊張せずに話せるように。テレビ収録でカメラを意識できるようになり、自身の成長を感じている。

 新曲のミュージックビデオでは、アクションシーンに初挑戦。激しいダンスも話題で、画面越しでも「心にFlower」の歌詞が伝わるように、全力で撮影に臨んだ。

 もっとも素顔は中学1年生。スマホの充電器を家に忘れると「もうダメだ、今日はもう何もいいことがない!」と思ってしまうほど落ち込みやすいとか。
 それでも「ネガティブ思考を変えたい」と笑う姿から想像できない覚悟の言葉に驚かされた。

「おかしいこと言うんですけど、メンタルは強いんです! 私のダメなところを指摘してくださる方の意見はちゃんと聞くんですけど、(ネット上などでは)それとは全然逆というか…意見というよりも悪い言葉(悪口)のようなものもある。それはその人の意見でもあるとは思いますけど、私はそれを取り入れないといけないとは思ってないんです。気にせず前に進んでいけるんですよ」

 人気グループのセンターを担う宿命としても残酷だ。13歳の少女は普通に生きていれば、向けられることのない言葉とも戦う必要に迫られてきた。

 さらに、出口の見通せないコロナ禍にある今の日本。残念ながら世界では、笑顔が奪われる悲しい状況も生まれている。

 だからこそ「心にFlower」のメッセージ性の強い前向きな歌詞が自身の心にも響き、センターとして歌う原動力にもなったという。

「いろんな方の笑顔の花を咲かせられたら…曲にも通じますけど、それが自分の目標なんです。つらい時や苦しい時に私のことを見て、頑張ろうって思える人になりたくて。ファンの方が『笑顔になってるよ』と言ってくださることもあるんですけど、そのおかげで、私は今、アイドル活動ができていると思います。ちょっとつらくても相手の笑顔を見ると、自分のつらさも少なくなる。それはステキなことだし、もっと広げていけたら」

 20年7月に劇場公演デビューした際も、無観客配信でステージに立った。アイドルとしてファンから“声援”を浴びることも許されず、センターに立つ機会も決して多いとはいえない。

「研究生としてお披露目された時、ファンの方の声援を1回だけ聞いたことがあるんです。でも、すごく緊張していたこともあって覚えてなくて(苦笑い)。ステージに立った時の声援って、どんな感じなのか気になります(笑い)」

 通っている中学校の学年目標が「フラワーなんです!」と声を弾ませた林。

「一人ひとりの笑顔を咲かせるって意味です。偶然なんですけど、曲にもつながってるなって。すごいですよね!」

 笑顔で語る彼女が、アイドルになったことは“必然”かもしれない。  

 ☆はやし・みれい 2009年3月10日生まれ、愛知県出身。19年11月にSKE48第10期生オーディションに合格すると、昨年9月発売の28枚目シングル「あの頃の君を見つけた」で、研究生ながら初選抜で初センターに抜てきされる。今月1日発売のファッション誌「Seventeen」春号(集英社)から専属モデルも務めている。