石原さとみ主演のフジテレビ系ドラマ「ポリティカルパン」が「忖度なし」「攻めてる」とリアルな描写で評判を呼んでいる。21日放送第3話には、虚偽情報のネット拡散を象徴する「スマホ農場」も登場。裁判に発展した数年前の一件を思わせるエピソードも繰り広げられた。

「女ルパン」の大泥棒・弥生(石原)が、官房機密費を盗もうと、元総理の娘だが夜遊びさんまいの雅(河合優実)を衆院選で当選させ、私設秘書として「永谷町」に乗り込む。3話では、無所属の雅が仲間づくりに苦労し、1人で発起人となった議員連盟の会合出席者が実質ゼロの悲哀も味わう。

 女性議員の先輩として雅に目をかける最大野党民友党の宇都宮(美村里江)は、「20人集めるのに5年」「議論を深めるのにさらに5年」、法案の審議入りに「8年かかった。初当選の無所属ならもっとかかる」と議員活動の実際を教えた。一件優しそうな宇都宮だが、実は雅を巡って、その父士郎(草刈正雄)が副総裁を務める与党国自党の夏目(高橋一生)と裏取引をしていた…。

 一方の弥生は雅を誹謗中傷するネット動画の発信者探しに動く。「ワッシー」なるSNSアカウントの発信元が「ポンズネクスト」という会社だったことが判明。同社と国自党のつながりも浮かび上がった。

 これが想起させるのは2021年ごろに問題化した、アカウント「Dappi」による野党議員に関するネット投稿の問題だ。同アカウントと運営企業ワンズクエスト、自民党の接点が明るみに出た。虚偽投稿で名誉を毀損されたとして一部議員が同社側に損害賠償請求の訴訟を起こし、23年に勝訴の判決が確定している。

 ドラマにおけるアカウントと会社名は実例に似ている。投稿時間が会社の勤務時間帯というのも生々しい。X(旧ツイッター)では「おもいっきり『Dappi事件』ですよね」「現実に起きた問題を分かりやすくぶっ込んでくれた」「忖度どころか闇にまで踏み込んでて面白い」「かなり攻めててスレスレ」などと視聴者の評判を呼んでいる。

 誹謗中傷や虚偽情報の拡散では、「視聴回数をインチキで増やすことができる」として「スマホ農場」も語られた。多くの動機はカネで、劇中ではネット民の関心が雅から「外国人がヤバい」に移ったと、これまたリアル社会を浮かび上がらせる。Xには「まだ3話目ながら凄まじい盛り上がり」との投稿もあった。