日本にいるベトナム人窃盗グループがドラッグストアで万引した大量の商品をベトナムに送っていた事件で、警視庁と埼玉、千葉、神奈川、岐阜各県警の合同捜査本部が、ベトナム本国から指示を送っていた男女2人を特定し、窃盗の疑いで逮捕状を取ったことが20日、分かった。逮捕状の取得は19日で、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配する方針。

 グエン・バ・タイン容疑者(31)とグエン・トゥ・フェン容疑者(29)は昨年9月、長野市にあるドラッグストアから化粧品などが大量に万引された事件で、日本にいるベトナム人の実行役に指示をしていた疑いが持たれている。両容疑者はベトナムのSNSで万引の実行役を募集し、盗品を日本国内の集約拠点に送らせた後、ベトナムの首都ハノイに届けさせていたとみられる。

 また捜査本部は今月19日、盗まれた化粧品を日本の集約拠点で、盗品と知りながら受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の疑いで、いずれもベトナム国籍の30歳の男女2人を逮捕した。

 警察庁によると2021年から23年のドラッグストアでの万引1件あたりの被害額は日本人は平均1万774円で、外国人は平均7万8936円。また、24年の訪日外国人犯罪の総検挙件数(2万1794件)の国籍等別の内訳は断トツ1位がベトナムの9690件で、2位の中国(2866件)、3位のタイ(1201件)と続く。

 あるベトナム事情通は「ドラッグストアは店舗が広い割にスタッフが少ない。店舗が小さくても高級な医薬品や化粧品がある。ベトナムでは日本の商品が人気で高値で売れる」と話す。

 ベトナム人が日本で窃盗を行うことは、ベトナムでも大きく問題視されている。

 ある現地メディアは「ベトナム人労働者や留学生の多くは日本について、基本的な情報さえ知らないまま来日することが少なくない。最大の障壁は言語だ。基本的なコミュニケーションが取れないため、収入も低く抑えられてしまう。それが窃盗につながる理由の一つ」と分析している。