立憲民主党最高顧問の菅直人元首相(75)が25日、大阪市内で今夏に行われる参院選大阪選挙区(改選数4)で立憲民主党の公認候補として擁立が決まった国会議員政策担当秘書の石田敏高氏(56)とともに会見を開いた。

 菅氏は昨年の衆院選で同党の辻元清美前衆院議員が敗れたことを受け、大阪の問題点を勉強したという。中でも、大阪府・市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に疑問を抱いており、2月にはIR予定地の夢洲を視察するなど精力的に活動してきた。

 今回、同選挙区で同党の候補者を支援する「特命担当」に任命され、「参院選は大阪の人が本当にカジノを誘致していいのか、その判断を下す大きな機会と考えている。維新の人は身を切る改革なんて言って、カジノで損をさせて改革するなんて考えを強く言っているが、明らかに間違っている。石田さんを当選させ、カジノをストップすると大阪の皆さんに強く訴えたい」と語った。

 選挙戦については「維新が発信力があるのは感じているが、私も気を付けて、あとに残る形で発信していく。ネット上でも必要であれば訴えたい。選挙そのものは現場で戦いたい」と話し、少なくとも週に1度は来阪し、応援を続けていくという。

 菅氏といえば、ツイッターで橋下徹氏を引き合いに「ヒトラーを思い起こす」と投稿し、維新が立民本部や菅氏本人に撤回と謝罪を求めたのは記憶に新しい。当時、維新の馬場伸幸共同代表は「橋下さんと維新とは全く関係がありません」と説明したが、その後、橋下氏が大阪維新の会との法律顧問契約を終了したことが明らかになった。

 菅氏は「馬場さんのその時の発言と、実は橋下さんは大阪維新の会の顧問であって、最近辞めたのはおかしいと感じている」と話し、改めて「維新は完全に自民党の別動隊。別動隊が大きくなっても困らないから、菅(義偉前首相)さんも何も言わなかった。もっと自民より右翼的だ。自民党の別動隊と賛成するような党のオール与党化、それはおかしいと訴えていく」と対決色を鮮明にした。

 一方、石田氏はコロナ対応とIRを問題点に掲げ、「維新が強いのではなく、立憲が弱い。自民以外にないかという時に立憲が弱すぎる。こんな選択肢があるということをやっていきたい。他党の批判をやっている時間はない」と〝政策重視〟を強調した。