逮捕・河井案里容疑者「猛女」ぶり 「ヨメがすごい」結婚当時から夫の事務所が愚痴

2020年06月19日 16時00分

東京拘置所に向かう河井案里容疑者を乗せた車両

 現職国会議員夫婦の同時逮捕は憲政史上初だ。前法相の河井克行容疑者(57)と妻の案里容疑者(46)が18日、東京地検特捜部に公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された。案里容疑者が出馬した昨年7月の参院選広島選挙区で、票の取りまとめを依頼する趣旨で地元県議らに現金を配った疑い。2人は買収を否定しているが、案里容疑者はこの日もふてぶてしさを発揮。特捜部は“猛女”をオトして全容解明につなげられるかが焦点となる。

 2人の逮捕容疑は、昨夏の参院選で新人候補の案里容疑者を当選させるため、約100人の関係者に河井容疑者が計約2400万円を、案里容疑者が計約170万円を共謀して配った疑い。昨年3月下旬から8月上旬の間とみられる。自民党本部から通常の10倍といわれる1億5000万円が選挙資金として案里氏陣営に支出されており、これが原資になった可能性が指摘されている。

 18日早朝からマスコミ各社は、東京・赤坂議員宿舎前で河井夫妻が現れるのを待っていた。しかし、午後3時前に逮捕の一報。「いつの間に出たんだ?」「裏口があるんじゃないか!?」と夫妻の“すり抜けの術”に困惑した。

 逮捕の観測は前日から流れており、早朝に逮捕されてもおかしくはない状況だった。政界関係者は「18日にも逮捕と大々的に報じられているのにもかかわらず、案里氏は自分が本当に逮捕されるとは思っていなかった。検察は出頭要請を出していましたが、案里氏は『準備してない』と強弁。“案里待ち”となり、逮捕が午後になった」と明かす。肝っ玉が据わっていた彼女ゆえの遅れだったのだ。

 案里容疑者はこれまでも強気の姿勢を崩さなかった。週刊文春のインタビューでも「私は裁判で勝てますよ」と放言。また、広島県会議員だった2006年に、当時の県知事に政治資金にまつわる不祥事が起きたときも強気だった。

「県議会で質問に立った案里氏は『私が県知事だったら辞職している。男らしくしなさい!』と詰め寄ったのです。1年生議員だったこともあり“武勇伝”として地元では知られています」(永田町関係者)

 猛女だったのは政治家になる前からだった。

 自民党関係者は「河井氏が初出馬のとき、各議員へあいさつ回りをしていたのですが、母親同伴だった。ヤリ手って感じの母親でしたねえ。その後、案里さんと結婚すると河井事務所から『ヨメがすごいんです』と愚痴が出てくるようになった。案里さんは秘書たちにガンガン口を出しまくって怖がられていたのです」と振り返った。河井容疑者は強い女性が好きなのかもしれない。

 この日、安倍晋三首相は記者会見を行い、この件については「大変遺憾だ。法相に任命した者として責任を痛感している。国民におわびする。国会議員は自ら襟を正さねばならない」と述べたのみ。もともと、安倍首相が広島選挙区を地盤とする自民党の溝手顕正前参院議員のことが嫌いで、案里容疑者を同選挙区に擁立して追い落としを図ったと指摘されることが多い。1億5000万円の使い道次第では、安倍首相にも説明責任が求められることになる。

 選挙陣営の関係者らとやりとりしていたLINEで、河井容疑者は「あらいぐま」、案里容疑者は「アンジー」のアカウントを使用していた河井夫妻。事件は司直の手に委ねられた。証拠や証言が集まっている状況で、余裕たっぷりな猛女は特捜部を相手にどう闘うのか。