阪神の最年長・糸井嘉男外野手(40)と2人で一日主将として、キャンプ最終クール初日の「監督胴上げ」「時短練習」をプロデュースした西勇輝投手(31)が、チームの士気を高めた〝ひと手間〟を練習後に明かした。

 まずは指揮官を感激させた矢野燿大監督(53)の「胴上げ練習」について。練習前に一日キャプテンが声出しするタイミングで敢行したことに「どうしたら盛り上がるかなと考えた結果。みんながいないとできないことだし、いろんな意見があると思うんですけど、そんなもん跳ねのけられるように」とした。結果として〝予祝〟は大盛り上がりで、今季限りで退任を表明している指揮官の意志をくみ取り、あえてこの時期から何を目標にプレーしているかを改めて確認する場にもなった模様だ。

 さらには当初、予定されていた練習試合・広島戦が雨天中止となり、代替の練習メニューを主将を務めた糸井と2人で相談して決めたことにも言及。キャンプ最長の6日間日程となる最終クールを鑑み、指揮官や井上一樹ヘッドコーチ(50)の承認も経て、この日は「練習は14時まで」として、早めに宿舎へと帰る〝時短〟メニューで個人練習を敢行した。「自分で考えてやったら周りを見ることもないし、周りを見て動くことがいいことじゃないと思ってます。普段、17時、18時まで練習しているし(きょうの練習は)14時までと決めて。裏方さんも休憩させて。こういう日が1か月に1日あってもいいのかなと思った」。キャンプも終盤に差し掛かり、裏方スタッフなど含め、文字通り、チーム全体のここまでの蓄積疲労は確かにある。目に見えない部分も見通して行った〝内容の濃い〟一日を〝演出家〟として満足げに振り返っていた。