逃した超大物を倒し、守り抜いた〝秘蔵っ子〟で追い打ちをかける。ブルワーズがドジャースを相手に、今夏の大型トレードを巡る判断の正しさを証明しようとしている。チームは11日(日本時間12日)、本拠地ミルウォーキーで行われたナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦でドジャースに2―1で先勝。ドジャース先発のタリク・スクバル投手(29)を攻略した。12日(同13日)の第2戦ではブルワーズのローガン・ヘンダーソン投手(24)が先発し、連勝を狙う。

 米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は、このミルウォーキーでの2連戦に特別な因縁があると指摘。今夏のトレード期限を前に、両球団は当時タイガース所属だったスクバルの獲得を争っていた。

 ドジャースはリバー・ライアン投手(28)ら若手3選手を差し出し、ア・リーグで2年連続サイ・ヤング賞を受賞した左腕を獲得。一方、ブルワーズも複数の有望株を提示したが、タイガース側は球団が長期保有できるメジャー投手を求めていた。交換要員の候補に挙がったヘンダーソンは球団にとって〝譲れない存在〟。放出を拒み、結果的にスクバル争奪戦に敗れた。

 実際に当のヘンダーソンもトレード期限後、球団の編成トップに「放出しないでくれてありがとう」と感謝したという。

 だが今度は、そのヘンダーソンが第2戦ではドジャース・山本由伸投手(28)と投げ合う。今季10勝を挙げた若き右腕が好投すれば、因縁の構図は一層鮮明になる。

 同サイトは「ヘンダーソンが第2戦の勝利とシリーズ制覇に貢献し、今後5年間も球団の保有権が維持されるなら、慎重な判断が正しかったことの証明になる」と強調した。

 2年連続サイ・ヤング賞投手を手に入れた宿敵を、獲得に失敗した側の生え抜き右腕が沈めれば、これ以上ない〝皮肉〟だ。スクバルを逃したことが〝大正解〟だったと胸を張れるか。その答えを握るのは、放出を拒んだ24歳の右腕だ。