“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回はまだ養成所在学中で、一見すると“不思議系キャラ芸人”に見えるが、実は確かな実力を持つ男女コンビを紹介する――。

【プロフィル】
 コンビ名‥かわゆし銀行当座
 養成所‥マセキ芸人アカデミー在学中
 初舞台‥2025年5月30日
 男性‥石田克騎
 生年月日‥1998年7月28日
 女性‥しおみゃん
 生年月日‥2002年8月7日

 まだ養成所に在学中の男女コンビです。見た目はおっとりしたゆっくりした漫才かと思いきや、キレのあるスピード漫才でした。ボケも手数があり、面白さもあり、動きにムダもほとんどなく、ツッコミも必要最低限の言葉選びでネタが進んでいきます。

 舞台以外で初めてしゃべった時は「そもそも漫才ができるのか?」と不思議になるような雰囲気でしたが、漫才を見た時は面白いと思いました。やっぱり芸人たるもの漫才が面白いと、男性はカッコ良く、女性は美人に見えてきます。

 上京する前には福岡で活動していた時期がありましたが、福岡はお笑いライブが少ないため、専門的な映画館の幕間で漫才をしていたこともあるとか。不思議な雰囲気を持つ男女コンビに話を聞いてみました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

 石田「子供の頃から人気者だったから」

 しおみゃん「やみゃぐちだい(山口大学のこと)の落語研究会に迷い込んだみゃ」

 ――コンビ結成のきっかけは

 石田「大学時代のコンビを解散したタイミングで、しおみゃんが大学を留年して一番暇そうにしていたから」

 しおみゃん「ひみゃだったから」

 ――悩みを教えてください。何でも大丈夫なので

 石田「どうあがいても僕の清潔感が出ない」

 しおみゃん「衣装がそろそろ壊れそうだみゃん」

 ――ネタはどうやって作ってる

 石田「ネタの骨だけ投げて、しおみゃんに作ってもらう」

 しおみゃん「骨をもらって、太らせて返すみゃ、ぶくぶくみゃ~ん」

 ――今後の目標は

 石田「母親が痛ファンをやっていた内村(光良)さんと同じ事務所に入る」

 しおみゃん「いろんな人に愛してもらって、いろんなところでおいしいものをいっぱい食べたいですみゃ」

 ――影響されたお笑い番組、芸人さんを教えてください

 石田「『笑う犬』『レッドシアター』。芸人はミルクボーイさん、ザ・ギースさん」

 しおみゃん「アイドルグループだけど、でんぱ組.inc、清竜人25」

 ――趣味を教えてください

 石田「車の運転、簿記(日商2級所持)、メダルゲーム」

 しおみゃん「料理、アイドル観賞、リサイクルショップ巡り」

 ――何か言いたいことがあれば

 石田「おしゃれに疎過ぎるので、誰かプロデュースしてください。懇願です」

 しおみゃん「覚えて帰ってみゃ~ん(ハート)」

 漫才の息がとても合っているのは、普段からルームシェアをしているからかもしれません。このコンビと3人の芸人、計5人で一緒に住んでいる。さらに養成所に通いながら、1日に5本ライブを掛け持ちしたりもしています。

 私のトークライブに出ていただいた時、初見で「漫才を見たい」と言ったらすぐやってくれたフットワークの軽さ。「漫才をやって」と言って、すぐにやってくれる人はプロにもなかなかいません。普段からきちんと活動してるからこそ、照れることなくすぐにやれるのだと思います。

 しおみゃんさんは、しゃべり方を見ると“不思議系キャラ芸人”かと思ってしまいますが、漫才は正統派。ボケも分かりやすく、相方をイジる技術もある。また相方のツッコミのワードも面白いので、ツッコミのワードセンスでも笑いが取れる。養成所在学中とは思えず、今後は期待しかない男女コンビです。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見てきた“女芸人マニア”。