ドラディション19日の東京・後楽園ホール大会で藤波辰爾(64)と“仮面の魔豹”エル・カネックの約30年ぶりの対戦が実現した。

 カネックは1978年3月の両国大会で藤波の保持していたWWFジュニアヘビー級王座挑戦を控えながら直前でキャンセルする「敵前逃亡事件」が有名。約7年ぶりの来日を果たしたこの日の大会では、藤波が越中詩郎、丸藤正道と、カネックが藤原喜明、KAZMA SAKAMOTOとそれぞれ組み6人タッグマッチで激突した。

 ともに先鋒を買って出た両雄はいきなり対峙。藤波がカネックをコブラツイストに捕らえて会場を沸かせた。一方のカネックも丸藤を変幻自在のジャベで翻弄し、健在ぶりを見せつける。

 10分過ぎ、KAZMAを捕らえたドラゴンスリーパーをカネックにカットされ、劣勢に陥った藤波だが、ここからが冷静だった。KAZMAをいなして、巧みな逆さ押さえ込みで3カウントを奪ってみせた。

 かつてのライバルとの再会に藤波は「本当に僕の思い出の選手。付き合ってもらって感謝ですよ。世界にはいろいろなレジェンドがいるので、日本に紹介していきたい」と、今後もゆかりのある選手の招聘に意欲。カネックも「藤波と再会できてうれしい。今日のデキは50〜60%。大阪(21日)でもう1試合あるので、もっと激しくやりたい。レスラー、ルチャドールにとって最も重要なのは経験だ。この2人は生ける伝説なのだ」と満足げだった。