【競輪命】自転車の重み

2020年06月17日 17時48分

村上義弘が掲げた自転車の重みは、いかばかりか…

 和歌山競輪場で初めてのGI開催が行われる。「第71回高松宮記念杯」が18~21日の4日間、東西対抗戦の形で争われる。新型コロナウイルスの影響で今開催も無観客のまま、だ。そんな今だからこその思いが選手たちに通じている。

「自分は競輪に救われてきた。だからこそ、競輪を見て力を得てもらえると思っている。走りで元気づけたい。開催できるように尽力してくれた方に感謝の思いもあるし、走ってみんなを元気づけるのが、我々の仕事」

 コロナ禍にあり、苦境に陥っている競輪界。ネガティブなことも多いが、今こそ競輪からポジティブな発信を、と村上義弘(45)が願う。戦後復興を目的に、大きな役割を果たしてきた競輪。「これまでも、これからも。今だからこそ」と村上は語気を強めた。厳しく、また笑顔も交えて今を語った村上が自転車を持ち上げる姿を見た時、その重さはいかばかりかと思った。

 この宮杯、和歌山で初めて開かれるGIは、どんな意味を持つだろうか。ネットでは新田祐大(34)が「今だからこそ、今やれることを」と様々な形で発信を行っている。ファンが置き去りにされないように、考え、行動している。今の形でファンとつながり合える時間を大切にしないといけない。

 東京五輪が延期になったこともあり、今大会はナショナルチームのメンバーも含めた、まさに頂上決戦となる。「競輪選手は、普通の生活ではできない覚悟を持ったり、トレーニングをしたりして、戦っている」(村上)。その姿を見て、「競輪から力をもらい、また子供たちが選手になりたいとか思ってくれるのが一番」なのだ。

 今こそ感じたい、自転車の重みがある。競輪から――。

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 現場の熱い模様をお届けできればと思います。ぜひ、選手の直撃インタビューや、推奨レースの動画予想をご覧ください。

☆前田睦生(まえだ・むつお) 九州男児。ヘアスタイルは丸刈り、衣装は吊るしのスーツで全国各地の競輪場の検車場を闊歩している。日頃の不摂生を休日の多摩川土手ランニングでなんとかしようとしている姿の目撃情報多数。