ガールズケイリン1期生の山口菜津子(30)が引退を決意した。「先日、手帳(選手登録証)を出してきました。25日くらいに受理されると思うので、もうすぐ一般人になります(笑い)」

 半年ほど前から進退について考えていたようだ。「ちょっと気持ちが切れかかっていました。中途半端な意識でやれるほど甘い世界じゃないのはわかっているけど、なかなか気持ちが乗らず、練習にも身が入らなかった。でも、レースに出る以上はやっぱり負けたくないし…。最後の方は正直、結構ツラかったです。それで〝そろそろかな〟って決断しました」

 自転車、スポーツとは無縁の生活を送っていたが、ガールズケイリンの誕生を機にいきなりこの世界に飛び込んできた。「すごいところに来てしまったな、って思いました(笑い)。自転車が好きだったわけでもないし、運動も全くやっていなかったので。こんなド素人がプロとして7年半、燃え尽きるまで走れた。本当にありがたいこと。私に関わってくれたみなさんに感謝しています」

 選手として過ごした日々が大切な思い出となっている。

「この仕事をしていなければ、全国各地に飛び回ることはできなかった。それぞれの土地でおいしいものを食べたり、全国に友達ができたり。同期をはじめ仲間にも恵まれた。楽しい時間でした」と選手生活を振り返った。

 今後については「全く決まっていない」という。

「選手はシーズンオフがないから常に〝練習しなきゃ〟という思いがあった。でも、もう練習はしなくていいので、とりあえずしばらくの間ゆっくりしようと思います(笑い)。慌てて次の仕事を探しても、それが自分に合っているかわからないし。やりたいことが見つかるまでは、のんびりするつもりです」

 通算成績は565戦9勝、2着63回、3着73回、着外417、棄権3。1着こそ少なかったが、追走技術にたけており車券への貢献度が高く、コアなファンからも愛された好レーサーだった。

 なっちゃん! 本当にお疲れさまでした! これからの第二の人生もなっちゃんらしく輝き続けてね! お酒の飲みすぎには注意しなよ!

☆奥山雄大(おくやま・ゆうだい)1988年生まれの通称・松川(高大)世代。主にミッドナイトの取材を担当。特技は肉を美味しく焼く事で〝初級焼き師〟の資格を持つ。