松本明子といえば、現在バラエティー番組などでプチブレーク中のアラフィフだ。そんな彼女の「代名詞」とも言われているのが、通称「四文字言葉事件」だろう。

 アイドルとしてデビューした翌年の1984年、「オールナイトフジ」出演中に周りに乗せられ、生放送で禁句の四文字を言い放ち、大騒動となったのだ。これは単なる芸能ネタではなく、当時一般紙でも取り上げられるなど、社会的な事件となり、アイドルとしては前代未聞の謹慎4か月の処分が下された。

 今の松本にとっては「おいしいネタ」なのだろう。最近、自らの失敗談として「これが原因で業界から干された」などとテレビで面白おかしく当時のことを話しているのを何度か見ている。でも「干された」というのはちょっと違うような気がする。

 実は、記者は謹慎明けの松本にインタビューしている。もちろん、騒動を起こしたことについて「後になってあの言葉の怖さを知りました」と反省の弁を述べたが、その表情には悲壮感は全くなかった。アッケラカンとして「みんな私のことコメディアンと思ってるみたいなんです」と笑っていた。その口調や表情は、今バラエティーで活躍している松本明子そのものだったと記憶している。

 もちろん四文字言葉事件で、アイドル歌手としての生命が終わったのは間違いないだろう。当時のアイドルは男性スキャンダルはもちろん、下ネタはご法度。アイドルは清純派でなければならなかった時代だったのだ。謹慎明けにライブをやった際にも、事件の影響は出ていた。「しゃべってる時はみんな面白がって聞いてくれるのに、歌になると席を立っちゃうんです」と嘆いていた。

 その後、バラエティーを中心に仕事を展開するものの、当時はまだ松本明子のぶっ飛んだキャラクターを生かせるような土壌はなかったのだろう。

 それが、今やジャニーズやAKBでも下ネタを口にする時代になった。ようやく、時代が松本明子に追いついたということだろう。とはいえ、さすがに禁句の四文字を口にするアイドルは登場していないが…。

(編集顧問・原口典彰)